まだまだコロナ禍がつづく2021年。ワクチン接種などが進んでおり、アフターコロナの兆しは見えてきましたが、仕事の進め方や働き方に大幅な変革が求められていることに変わりありません。

この講座では、事業展開、DX、SDGs、システム構築、ウェブ活用、EC、SNSなどの話題を通して、いまの時代に求められる最新のマーケティングトレンドを解説。マーケターやディレクターだけでなく、営業職、デザイン職、技術職にとっても役立つ内容をお伝えします。

さらに、個人の働き方という視点にも重きを置いて、本音の話ができればと思っています。

セミナー内容

2022年のマーケティングトレンドを先取り!次年度に向けて準備を始めよう!

    • 1. 消費者の変化
    • 2. DX
    • 3. SDGs
    • 4. OMO
    • 5. 個人情報
  • 6. 集客
  • 7. EC
  • 8. 動画活用
  • 9. ウェブ活用
  • 10. SNS

登壇者紹介

益子 貴寛 氏
株式会社まぼろし  取締役CMO/株式会社メンバーズ メンバーズキャリアカンパニー 技術顧問

Webサイトの企画、設計、プロジェクトマネジメント、オウンドメディア運用、 ソーシャルメディア運用、検索体験最適化、リスティング広告運用、 アクセス解析などのウェブマーケティング全般に従事。


はじめに

2022年、もう来年の話をすると鬼に笑われる気がしますが、気忙しく早めに行きましょう。

私は益子貴寛と申します。株式会社まぼろしでCMO、チーフマーケティングオフィサーということでマーケティングの担当をしています。メンバーズさんではキャリアカンパニーの技術顧問として2年くらいずっと関わらせていただいております。

基本はWeb関係の仕事をしています。マーケティングなども色々とやっていたり、サービス設計やアプリ開発にも関わっています。

本日は「2022年のマーケティングトレンドを先取り!」ということで来年に向けて準備を始めましょう。よろしくお願いいたします。

 

前段

では本編に入ります。

コロナの感染状況がだいぶ落ち着いてきたと言いますか、ピークアウトしたという状況ですが、このウェビナーの開催時点では第5波が来ています。

 

このグラフを見れば分かる通り、第5波はデルタ株が蔓延した影響で、これまでと比べて桁違いの感染者数が発生しています。

これはみなさんも実感していると思いますが、以前は知り合いの知り合いくらいが感染したという風に又聞きで知るようなケースがほとんどでしたが、今は直接の知り合いであるとか、友達が感染したというような話をよく聞くようになっています。

秋口に入って少しピークアウトの兆しを見せていますが、冬になってくると風邪系の感染症の患者数は増えてきますので、ぜひみなさんもこれまで以上に自分の健康と体を守るような生活様式で過ごしていただきたいなという風に思っています。

接種の進んでいるワクチンもブレイクスルー感染といって、ワクチンを2回打っていても感染するケースもありますし、もちろん数は劇的に少なくはなるのですが重症化するケースもあります。ワクチン接種に関してはイスラエルなどが既に3回目接種を始めていますね。

もう1つの大きな話題が自民党の総裁選が行われるということです。

総裁選は自民党員しか投票できませんが、総裁選を受けて9月~10月にかけて衆議院選挙も行われることが見込まれていますので、ぜひ情報を色々と集めて自分にとって最適な判断をされると宜しいかなと思います。

これは私が好きでよく見ているYouTubeで世界史を教えている茂木誠先生のチャンネルから抜粋したものです。

いわゆる自民党におけるキーパーソンをピックアップして「こういった思想ですよ」みたいな4象限をマッピングしています。女性初の総理・総裁を目指す高市早苗さんがかなり注目を集めていますが、ぜひみなさんには色々な情報に触れて、衆議院選挙で行われた場合にはぜひ投票と言いますか、行動をしていただきたいなと思います。

さて、これから本題に入りますが、こちらの7つの観点から話題をお伝えしていこうと思いますのでよろしくお願いします。

 

1.続・コロナ禍

依然としてコロナ禍が続いています。「この状況がいつまで続くのか」ということは誰しも考えることです。私なりに2年ほど色々な情報に触れていますが、簡単にはこういう風にまとめられるかなと思います。

過去に起きたペストやスペイン風邪のパンデミックは収束までにだいたい4年くらいかかっています。思い出していただきたいのですが、コロナはコロナ(風邪)ウイルスです。

似た感染症でインフルエンザがあります。毎年徐々に変異しながら流行しています。ただワクチンを打つことで症状を抑え、重症化を防ぐことはできます。この辺りはコロナと似ているところですね。

重要なのは「未だにインフルエンザは撲滅できていない」ということです。この感染症に対しては「撲滅するのではなく、共存していく」という考え方で向き合うべきでしょう。

コロナの話に戻りますが、私は「2024年までコロナ禍が続くかもしれない」という風に予想をしています。もし早く終わればラッキーですが、ただ可能性としてコロナ禍はまだまだ続くということです。今後少なくとも2024年くらいまでは経済やビジネスはコロナ禍を前提にしたものになるだろうということが想定できます。

 

余談なのですが、コロナ中によって芸能人やお笑い芸人などのステータスが大きく変わったということで、

2年くらい前までは劇場に1日何回も出演したり、テレビのレギュラーを何本も持っているところがステータスだったわけですが、今はYouTubeチャンネルの登録者数、再生回数であったり、もしくはコミュニティ運営がその人の力を示すような時代になってきていますね。テレビからインターネットへという大きな流れの変化があります。

電通が毎年発表している「日本の広告費」という資料からもテレビをインターネットが抜いています。今後はこの傾向はより強まるという風に思います。我々にとって大切なスタンスは何かと言いますと、

「ウィズコロナ」を前提にした仕事の仕方を心構えておくということ。

もう1つは「アフターコロナ」です。コロナがある程度収束した時にリベンジ消費が流れとして起きます。アメリカは大分景気が良いのですが、コロナがまた蔓延しましてリベンジ消費が下がっている状況です。ただこのまま5年も10年もこの状況が続くことは考えられないので、リベンジ消費に備えましょう。

ウィズコロナに対応するというところで、密ではなく疎です。

先日デジタル庁が発足しました。そのトップの人が海外の有名大学を出られた72歳くらいの女性の方ですか。彼女はデジタル庁のトップですので、デジタル界隈のことは熟知しておく必要があるのですが、自分のブログでPIXTAの透かしが入った画像を大量に使っているという事実が発覚してしまい、就任早々彼女の適正に疑問符がついてしまったという話があります。

世の中はコロナの影響もあり、リモートワーカーやWeb会議など、DXの方向に向かわざるを得なくなっております。テレワークであったり、あとはワーケーションなどが話題ですね。ワークとバケーションを合成した造語です。いわゆる旅行先で働くと言いますかイメージですが、そういったものも進んで行くと思われます。

Web会議も度々行われる局面が増えるでしょう。そもそもこのセミナーもウェビナー(Web+セミナー)ですから。

また外出自粛や外食自粛というものも続いていくでしょう。出前館やウーバーイーツなどのフード宅配サービスが盛り上がっています。

またAmazonなど置き配を始める業者も増えてきましたね。これはもうみなさん日々実感していることですし、生活の中で経験していることなので、問題ないとは思います。

 

次にリベンジ消費にも備えましょうということです。新たな消費のニーズに必要とされる4要素として、どうしてもこれはコロナ禍を受けてなのですが、安全・体験・共有・支援ということが言われていたりします。

「安全」というのは「品質」であったり、密でない空間づくりのための「空間」です。

「体験」というのはリアルな「体験」や「支援」も含みますし、VRやARといった疑似的なものも含みます。

「共有」というのはリアルタイムな「即時」の共有や「拡散」です。これまでもSNSを中心に行われてきたのですが、なお一層共有が重要になってきます。

「支援」というのは「貢献」ですよね。いわゆる社会貢献的なことなのですが「局所」的な貢献です。

このお店を応援したいから今このお店に行こう、あるいはそのお店で買おうというようなことです。これはリアルとWeb両方です。

もしくは、このECサイトを応援したい、この運営者を応援したいといった感じでそこで買おうということです。多額の寄付とかではなく「身近」な支援というのが、より一層消費需要にとって重要だという風に考えられます。

これは私自身に言い聞かせていることでもあるのですが、世の中はコロナ禍によって急激には変わっているものの、1日1日で見ていくとゆるやかに変わってきています。

そのゆるやかに過ぎていく中で「ゆでガエル」になってしまわないように注意しましょう。

水にカエルを入れて、火にかけて、だんだん温まってくる。カエルはゆっくりとしか温度変化がないために、いつの間にか熱くなってしまい茹で上がってしまうというような例えです。

ぜひ日々色々な情報に触れたり、お仕事をされていると、1日の流れに慣れてしまいますので、あまり慣れすぎないと言いますか、敏感さを失わないようにしたいなという風に個人的にも思っています。ぜひみなさんにもこのような気持ちで日々過ごしていただけると良いのかなという風に思っています。

 

②ECの変化

2つ目の話題はECの変化です。これは数年前から言われていることですが「体験の提供」が重要になってきています。

従来は「かんたん」「手軽」「便利」「お買い得」などが売り文句でした。あとは気の利いたところでAmazonなどはそうですが、レコメンドで「この人はこういう商品も買っています」といった感じの情報提供が一般的だったわけですが、ECの今のあり方というのは本格的で、例えば何かを作る体験DIYであるとか、料理であるとか、何か簡単にレンジでチンして終わりというようなものではなくて、ひと手間加えてクオリティの高いものを食べよう、プチ贅沢をしようといった感じでの体験の提供がどんどん進んでいます。

それを考えればシチュエーションですよね。友達を招いて食事をするとき、コロナ禍ですのでどうしても外でお酒を飲むということは難しい状況です。シチュエーションに合った商品体験の提供を行います。例えば3人とか4人くらいのホームパーティのセット、もしくはバーベキューですね。換気の良いところで食事を食べましょうといった提案がすごく増えています。

 

具体的な例としては、ロイヤルデリを紹介しますが「世界食べ歩きセット」という感じで色々な国の食事が食べられるというだけではなくて「旅行が気軽にできない代わりに、食事だけでも旅気分を味わいましょう」というコンセプトのものです。

ぜひECは体験の提供。具体的にいうとシチュエーションと言いますか、生活シーンの中で「どういうところで使って欲しい」「どういう喜びが得られるのか」といったところを含めて提案することが非常に重要な時代になっています。

 

ECの続きでライブコマースです。これは中国の百貨店などで店内散策をライブ配信して、疑似ショッピング体験を提供するものです。それによって数時間で1週間分の売り上げを達成したというようなことがあったようで、中国の百貨店はライブコマースを活用してどんどん売り上げを回復しているそうです。

他にも小さな街のショップがInstagramなどの色々なSNSのライブ配信によって売り上げを立てているといったこともあるようです。また中国の農家がアプリを使い、収穫した野菜をプレゼンして販売するといったケースもあります。

ライブコマースは東南アジアが盛んなのですが、我々もさほど縁遠い話でもありません。ショップチャンネルやジャパネットたかたをご存じの方は多いと思います。この手法が現在ではテレビからネットを主戦場にしたものに変わっています。

お店の店員さんがマイクロインフルエンサーになって等身大の目線から等身大のプレゼンをし、商品の魅力を分かりやすく伝え、それによって購買意欲を喚起するというような流れができているということです。

失敗で中国におけるライブコマースの市場規模は17兆円などと言われているわけですが、写真の右下に映っているのは中国から来た観光客の女性の方ですが、これは秋葉原で撮影しています。

秋葉原でお店に了解を取ってライブ配信を行っています。視聴者からの注文を受けるとお店で商品を買って持っていく、あるいは何らかの方法で届けるという仕組みです。

このような感じで、国をまたいだライブ配信によるライブコマースが行われています。ちなみにこの女性は個人です。個人でも普通にやっているくらい普及してきているわけです。

 

ライブコマースはそのくらいなのですが、次にチャットECです。

これはオンラインの買い物をお友達と一緒に楽しむというものです。やはり買い物は女性同士や親子などで一緒に行ったりして話しながら楽しむという側面もあるわけです。特にアパレルなどは合いそうですね。

ターゲットは15歳から25歳のいわゆるZ世代と言われていますが、この方法はある程度の年齢が高い人にも楽しめるような仕組みではないかなと思います。

あとはお客さん同士だけではなく、店員さんとのチャットです。ただ単に質問に対する受け答えをするチャットではなく、リアルタイムに接客をするようなチャットですね。そういった方法の買い物に対応しているものもあります。

 

次にまたECなのですが、プライベートECです。

予約制のECでコーディネーターがアイテムを提案してくれたり、例えば「土曜日の午後5時から6時まで1時間、御社のECサイトに行きます」という風に伝えるとコーディネーターが接客してくれたり、相談に応じてくれたりするというものです。こちらはアパレル、ジュエリーショップ、ランジェリーショップなどが多いようです。

これはリアル店舗でも取り組んでいるところもあります。日本でもちらほら聞くのですが、リアルの店舗で事前予約したお客さんだけを入れて、あらかじめ決めていた時間だけ買い物をしてもらう。それが終わると新しいお客さんと入れ替えて買い物をしてもらうといった予約制の販売を行っている店舗もあります。

ECに関してはこのような感じです。ECだけでも色々な流れが感じられたと思います。

 

③プライバシー保護

続いてプライバシー保護の話をします。

まずプライバシーと個人情報について整理をしておきましょう。

個人情報という観点から考えると、日本国内の個人情報保護法が来年改正されます。個人情報というのはあくまでプライバシーという大きなくくりの中の一部でしかありません。

最近ではEUのGDPR(一般データ保護規制)やカリフォルニア州のCCPA(消費者プライバシー法)などが注目されています。一般的な個人情報保護と何が違うかと言いますと、GDPRやCCPAは個人情報だけではなく、プライバシー保護の範囲を広げたより厳しい保護範囲となっています。

時代はこのような保護範囲の拡大の方に進んでいますので、日本の個人情報法も改正の必要が出てきました。世界と歩調を合わせるように、この見直しは年々拡充されていくのではないかと思います。

個人情報保護法の改正ですが、法案効率しては通っておりまして、来年の4月に施行されます。目的は消費者保護の強化ということで、個人の権利・利益の保護、保護と利用のバランスについても運用性を考えて緩くするべきは緩くするといった形になります。

それに加えて国際的潮流との調和、GDPRやCCPAなどとの調和ですね。

あとは外国事業者によるリスク変化への対応、AI・ビッグデータ時代の対応といったいわゆる世の中の流れを受けた改正という風になっています。

5つだけポイントを説明しておきます。

1つ目は短期保有データも個人データになります。短期保有データという利用期間が6か月以内のデータは個人データとしないという考え方が認められていたりしたのですが、今後は短期保有データも個人データとし、保護対象になるというものです。

2つ目は漏洩時の報告義務と通知義務です。個人情報保護委員会みたいな政府機関に対して漏洩事故を起こした時には報告しなければならないし、流出したデータの持ち主にも通知をしなければならないという通知義務が明確化されました。

3つ目は仮名加工情報の取り扱いが緩和されました。仮名加工情報というのは本人として特定できないような処理を行った個人データのことです。このようなデータの取り扱いが緩和されました。

4つ目は法律違反への罰則強化です。罰金が高くなりました。

5つ目は外国事業者への域外適用の見直しです。外国事業者は取りこぼしと言いますか、法律の適用が甘いところがあったのですが、そこにしっかりと対応するようになります。

他にも変わる部分はあるのですが、一般常識としてはこれくらい知っておけば十分でしょう。

 

私のようなWebマネーマーケティングに関わる人間としては、ブラウザのサードパーティーCookie規制が結構大きなニュースです。Safariは既に実装しています。一言で規制と言っても、年々厳しさが上がっている感じですね。Google Chromeも2022年1月までに実装予定です。

Googleは「反対」の姿勢を示していたのですが、世の中の流れを受けて仕方なく導入したような感じです。ここでちゃんとしておかないと個人情報に厳しいEUに訴えられたりするわけです。

EUのGDPRというのは、ある意味ではアメリカのビッグテック、GAFAへの牽制の意味もあります。個人情報の取り扱いが甘いということで、EUがどんどん厳しくしているという面もありまして、GAFAもやはりグローバル企業として個人情報の保護に真摯に対応していく必要があるという風に迫られています。

リマーケティング広告の配信がこれまでとは異なる状況になるかもしれません。リマーケティングのデータはサードパーティから持ってきたものをベースにしています。それを基に配信を行っていますので、それが使えなくなるとするとリマーケティングがかけられる範囲がかなり狭くなります。アフィリエイト広告や広告計測ツールなどは数値が正しく計測できなくなる可能性もあります。

 

次にプライバシー保護には直結しないのですが、グローバルな話ということでデジタル税制についても触れておきましょう。

これもやはりEU・ヨーロッパ圏の動きが活発で、デジタルサービス課税みたいなものをどんどん行っていたりします。デジタル課税は日本でも結構話題になっていたりしますが、これもアメリカがGAFAに代表されるグローバル企業が「デジタル課税は嫌だな」という風に言っていたわけですが、現在はしっかりと対応しなければならないフェーズになっておりますので、今年の4月にアメリカがデジタル課税に関して新提案を出しました。

 

④コンタクトレス社会

次のお題にいきましょう。コンタクトレス社会です。

コンタクトレス決済が先んじてどんどん普及しています。クレジットカードやスマホを使ったタッチ決済ですね。

新しい動きとしてはコンタクトレス・ショップです。

高輪ゲートウェイ駅や目白駅にこのような形式のショップがあるのですが、このようなショップでは店員さんがいません。お金の受け渡しもありません。欲しい商品を手に取り、出口でデジタル決済をして購入し退店します。人件費の削減が目論見としてあるのですが、人を使うことは結構リスクもありますので、やはりそういう労務リスクを減らしたいというニーズも組んだ運営方法です。都心を中心にこのような形式が増えていくだろうという風に考えられます。

 

次にオンライン診療です。

これもコロナ禍を受けて始まってきているということです。

次にコンタクトレス・トラベルです。

UAE、アラブ主張国連邦のドバイ国際空港などを本拠地にしたエミレーツ航空会社の例ですが、コンタクトレス・トラベルを打ち出して安全に快適に旅行ができるということを提案していたりしています。

このように非接触、コンタクトレス〇〇というのがコロナ禍の新たなビジネスにつながっています。このようなものが今後は増えていくはずです。

私がかかわっているコンタクト〇〇の話をしますが、音声アプリとか音声サービスです。タッチデバイスよりも非接触なものとなると、音声検索や音声アシスタントのような声を使ったサービス。やはりそれが究極のコンタクトレスです。

 

⑤働き方の変化

次に働き方の変化です。社員シェアという言葉が聞かれるようになっています。

これは中国のアリババ参加のフーマー・フレッシュという企業についてですが、コロナ禍で売り上げが乏しい実店舗の余剰社員を、逆に売り上げが伸び続けている別会社のECの配送スタッフにしたというものです。これがかなり上手くいったようです。

このように融通し合える部分は融通できると良いですし、働いている人も全く仕事がないよりはちゃんと働ける環境を用意してもらえている状況の方が幸せなのではないかと思います。

日本でも似た事例がありますが、量販店のノジマです。

航空機の利用が落ち込んでいるため余剰人員となっているANAとJALの客室乗務員を店舗スタッフやバックエンドとして受け入れたというものです。外食産業の上場企業100社のうち、1200人以上が異業種に出向という形で別の仕事をしていると言われています。

社員シェアというのは必ずしも悪い面だけではありません。雇用が維持され、リストラが回避されるということがプラス面としてあります

1つの仕事をやり続けるとどうしてもマンネリ化したり学習機会が年々減る、刺激がなくなってしまうということがあります。そこで社員シェアで別の仕事を数年間担うことによってキャリア形成に良い影響が出るという話もあったりもします。

 

次はワーケーションです。

冒頭の方でも少し出てきましたが、テレワークで築いた自信がワーケーションにつながっていると言う部分も結構あったりします。

私個人としてワーケーションは「テレワークの延長じゃん」としか思っていなくて、もちろんその場所に行くコストはかかるのですが、基本的には自宅でやろうが、コワーキングスペースでやろうが、旅行先でやろうが、基本的にやることは変わりません。

緊急事態宣言が出されて、テレワーク中心に切り替わった当初はやはり自分のリズムを作る、同居している家族とのリズムを作るのに苦労しているという話はよく耳にしました。ですが、今は次第に上手く切り替えができるようになり、テレワークならではの環境に順応している方の方が多いのではないでしょうか。

実際にワーケーションプランのあるホテルなどが急増しています。「5泊以上だとかなり安くなりますよ」といった感じですね。

テーマパークなどもワーケーションに乗り出すところが増えています。「半仕事・半遊びという感じでテーマパークを楽しんでくださいね」といった意図なのでしょう。

実際に導入している事例としては長崎のハウステンボスがあります。

他のテーマパークもこれに続くのではないかなと思っております。

自治体ですと、例えば伊勢志摩がワーケーションをサポートしています。やはりこういったものはハウステンボスくらいの規模ですと、ちゃんとワーケーションという風に言えるのですが、地方の小さな都市ですと、地域ぐるみで取り組まないとワーケーションという単語をなかなか謳いにくい感じではあります。ぜひ地方の観光協会にはがんばってほしいなと思っています。

ただ、地方に行けば行くほど、コロナをすごく怖がっているんですね。東京から行く場合だと、車のナンバープレートを見て嫌悪感を抱いたり、何か文句を言ってきたり。やはり地方によっては結構センシティブなところもありますので、その辺りがワーケーションを大々的に打ち出さない理由の1つなのかなとも思います。

 

笑い話というほどではないのですが「ワーケーションを1年間やってみた」という体験談が面白かったのでご紹介します。

この1年間でもう20カ所くらい、北は北海道から南は沖縄まで行っているようです。今飛行機が安いです。格安航空会社だけではなく、ANAもJALも安いですね。お客さんが少ないのでかなりお得に地方に行けます。

この人の記事には「人間ドックを受けたら尿酸値・中性脂肪・コレステロール値が驚くくらい改善しました」という一文があり、なるほどそういう効果もあるんだなと感心しました。

この方はワーケーション先で地元のスーパーや道の駅で新鮮な食材を買って自炊をしているのですが、それは絶対健康に良いですよね。

別の方ですが空気がきれいなので、鼻の穴の汚れ方がやはり東京と地方では全然違うという風に言っている人もいました。やはり健康という面ではワーケーションを取り入れるのもワークライフバランスの改善に大きく影響するのではないかなと思います。ただお子さんがいる場合はなかなか難しいかもしれません。

 

⑥密から疎へ

これまで話してきたこと、世の中の流れもビジネスの流れもかなり密を避けるという方向に行っています。

お店などのあるエリアの混雑状況に関するニーズが増加しています。混雑状況サービスや受付管理サービスがこの1年くらいですごく増えました。

これはインド初のGoogleマップの交通渋滞の考慮機能です。交通渋滞を考慮した上で、バスの時刻表をリアルタイムに再読み込みする機能のようです。

iPhoneでは「お出かけ混雑マップ」というものがあります。自分の家の近くのスーパーやドラッグストアなどがどのくらい混雑しているのかをビッグデータを参照してマッピングしてくれるものです。スマートニュースも「お買い物混雑マップ」を出してくれていたりします。過去の時間帯ごとの混雑具合が参照できます。

 

さて、これはAIRWAITという受付管理サービスです。

キービジュアルからも分かる通り、待ち時間が何分ですよと表示した上で受付用のQRコードを発行して順番の受付をするものです。スマホでアクセスすると自分だけの待ち順番が表示されるという非常に便利なサービスです。これは導入しているところが多いです。例えば人気のラーメン屋さんとか導入していたりもしますね。

私が御殿場のプレミアムアウトレットに行った時に静岡にしかない「さわやか」という地元で超人気のハンバーグ屋さんに並んだのですが、思ったほどの行列はありませんでした。

その時にこのお店がAIRWAITを利用していることに気づいたのですが、受付を済ませると143組待ちの263分待ちになっていました。さすがにこれは待てないと思ってキャンセルをしましたが、キャンセルもブラウザ上でできるので「なるほど便利だな」と思いました。

 

次にアメリカの話ですが、車で生活するバンライフビジネスを手掛けるカリフォルニアのKiftを紹介します。キャンピングカーの貸出であるとか、Wifiを完備したキャンプ場の設営などを行っています。

これは例えばサンフランシスコやニューヨークの家賃が物凄く高騰しているということが背景にあって、ワンルームのマンションを借りるにも20~30万は当たり前にかかかってしまうわけです。

ですので、大型のバンやキャンピングカーを買って仕事場でする人も増えているようです。Instagramで#vanlifeというハッシュタグが盛り上がっていて、検索してみると投稿数は1000万を超えています。

日本でも大きな変化があります。都市部の地価が下落して、周辺部の地価が上昇しています。特に東京23区は港区や目黒区などを除いた大半が下落していて、むしろ日野やあきる野などは上がっています。

埼玉ですと川口や蕨などは上昇していますし、千葉では木更津・アクアライン延長線上の場所は上がっています。神奈川の東京寄りのエリアも上昇しているということです。都心から遠すぎず近すぎずというところがすごく上がっています。いわゆる「ドーナツ化現象」のようなことが起こっているようです。

知り合いから聞いた話なのですけども、都心のオフィスやマンションの空室率が結構上がっているそうです。これは3年前くらいから建築が始まってどんどん新しいマンションやオフィスビルが建つのですが、3年前はコロナがなかったために張り切って建て始めたということなんでしょうけれども、完成後に売れるのかどうかは不透明な状況になっているようです。

フルリモート、半リモートを前提に地方移住者、私の知り合いでも地方に移住したという人が結構います。今後複数の拠点を持つマルチハビテーションが増加しているようです。

私の知り合いの会社経営者の人は福岡に新しく住まいを用意して、東京と福岡で半々で生活しています。ただご家族は福岡で生活しているようですね。このようにマルチハビテーションを取り入れる人が増えている感じがします。

リモートワーク・テレワークを前提に我々としては対応を考えないともう立ち行かなくなります。良い人が採用できなくなるという業種も結構増えています。特にWeb系は顕著です。

知り合いの知り合いくらいの話ですが、コロナが落ち着いたということで全社的にリモートワークからフル出社に変えたところ「やーめた」という感じで離職する社員が続々と出てきたということでした。ですので、基本はフルリモート、もしくは半リモートくらいを前提にした働き方が重要になってきます。

私の会社でも富山県から働いているデザイナーが1名います。ご家族も富山にいてフルリモートで働いています。Web会議では話していますが、私は採用するときから現在まで実際にその社員とは1回も会ったことはありません。

 

⑦そのほか

最後の話題に行きましょう。

エドテックと聞いて、平賀源内とか江戸のカラクリ人形的なものが頭に浮かんでしまうのですが、そういうものではありません。これはEduction+Technologyです。

これはコロナ禍でやむにやまれずという部分も当然あるわけですが、オンラインの活用と学習効率の向上ということでアダプティグラーニングやVR授業、反転授業などを取り入れたりしています。また長時間労働の続く教師の働き方改善もありますし、デジタル化による学習管理の効率化もあります。

 

次はSDGsです。話題が大きすぎるので簡単に触れておきますが、テレビやネット問わずSDGs強調したようなCMというのは最近増えてきましたね。

SDGsに関してはウイグル産の新疆綿(コットン)をユニクロが使っているということでアメリカが輸入を差し止めたり、グンゼなどはもう使用しないという風に言っています。

太陽光パネルのシリコンも50%くらいをウイグルで作っているという風に言われていて、それだけウイグルというのは強制労働や人権侵害を前提にした労働力であり、原材料であるというようなことが世界的に問題になっています。そういったことに関してシビアに問われる時代となりました。

 

次にSNSです。

チャネルの選択と集中が必要になってきました。Twitter、Instagram、Facebookと色々ありますが、何でもかんでも使えば良いというわけではなくて、特に世代別に適したチャネル選びをすることが重要になってきます。

全方位的に使えばそれはそれで良いのですけど、体力のない普通の企業であればやはり絞らないと大変です。私なども経験しているのですが複数のSNS(InstagramとTwitterとFacebook)を運営していて、特定のSNS(私の場合はFacebook)だけが反応が薄いようなことがあるんですね。それはもう、そういったサービスだと思って、やめるような判断が必要かなと思います。短い動画によるコミュニケーションもそうですね。

またワクチン情報の取り扱いに関しては、例えばYouTubeの動画でその話題に触れてしまってBANをされることもあったりするようですし、もしくはTwitter、Instagramの投稿などでも投稿に対して警告文が出てしまうようなケースもありますので、

「ワクチン接種2回目終わりました」ということをInstagramの本文に書いたら注意書きが表示されてしまうような時代です。引き続き気をつけていきましょう。

「買い物のときSNSの情報にどのくらい影響を受けるか」というのは、やはりデジタルネイティブと言われるZ世代がものすごく影響を受けています。使っているサービスなども他の世代と違いますので、ぜひこういったことも踏まえてSNS選びをしていきましょう。

 

次にこれはGoogle Analyticsです。Google Analyticsに移行しつつありますというお話です。

UAは基本セッションやユーザーという単位で色々考えていくわけですが、GA4は全然データモデル自体が全然違いますので、本格的な導入はまだ待ったほうが良いかもしれません。

ただ、両方のトラッキングコードを埋め込めばUAとGA4を両方走らせるということもできます。

 

最後なのですが、UXの再考ということで、私は来年これが来ると思います。

これはアメリカのコンサルティングファームが調べたものですが、カスタマーのエクスペリエンス上、最も重要な価値、バリューとは何かをマッピングしたものです。

重要なのは効率性であったりとか、便利さであるとか、それからナレッジアブルサービスですね。インサイトのある・役立つサービスであったり、他には決済が簡単ということや親近感を感じさせるようなサービスが非常に重要だそうです。

Webの専門家はデザインであるとか、パーソナライゼーションとか、ブランドがどうこうとか、そういうところに話が行きがちなのですが、実はもっとそういうところではない価値を追求していかないとお客さんは行動を起こしてくれない。そういうことがこのマップから読み取れます。

我々はどうしても「UX」というと、ピーターモービルのUXのハニカム、7要素といったところから入りがちなのですが、実際のビジネスで「UXとは何か」ということを再考する必要があります。

自分たちのサービスやサイトが提供しているUXがお客さんのニーズに答えられているのかということについては、このマップを見れば「全然答えられてないじゃん」という風に私も思います。私も来年はUXの再考について考えていきたいですし、流行るのではないかという風に思ったりもしています。

以上で簡単に7つの視点から色々とお話をしてきました。本日の内容がみなさまの今年の後半からの仕事に良い影響を与えることができれば幸いです。本日はありがとうございました。

 

Q&A

 

Q1:全体的に人と人とが疎な関係に進んでいきそうに見えます。今後のビジネスを考える場合、疎な関係を前提に考えることが多くなるのかもしれません。これは数年前の状態を知っている私達にはなかなかさみしい状況なのですが、益子さんは「ここで逆張りしてやろう」といったような野心的なことを考えたことはありますか?

益子

疎という意味では人間関係の直接的なふれあいが減っていますし、これからも少なくとも当面は得る状況が続くだろうという風に思います。

個人的なことを言えばあまりさみしくはありません。これはお一人なのか、ご家族がいるのかによると思いますが、私の場合は家族と生活しているので、あまり寂しくないというのが正直なところです。

ただやはり寂しいという方はオンライン飲み会などを頻繁にやってみると良いですし、あとは3人グループくらいで蜜にならない程度で居酒屋に行って、離れて一緒に飲みながら喋るとか、換気を徹底するとか、色々と工夫のしようはあると思いますので自分なりに試してみてください。

私もさみしくなるときはあります。友達と話したいということももちろんあります。今週の日曜日に友達1人に来てもらって、ホームパーティーとまでは全然行かないですが、家族と友達の4人で一緒に食事する予定があります。さすがに大々的に10人くらい集めるといったことは今は到底考えられませんが、少人数だったら良いのではないかと思います。

Q2:サードパーティークッキー規制によって正しい数字が計測されなくなるということですが、今まで使用していツール以外のものが台頭してくるような気配はありますか?

益子

サードパーティークッキーの規制は大きな話ですね。

ファーストパーティクッキー、つまりはGAの場合はGAのクッキーしか受け付けないということですので当然GA内のツールで分析するしかないというようなことになると思いますが、その辺りをブレイクスルーするようなツールも今後出てくるかもしれません。

ひとまずは純正ツールでの分析に慣れておくことが賢明であると思います。

Q3:デジタル庁の発足について、トップの方のリテラシーなど課題はあるかもしれませんが、デザインの執行やブランディングノートなどを使用した情報の開示を見て、今後に期待を持っています。今後デジタル庁によってもたらされる変化にはどのようなものが考えられるでしょうか?

益子

デジタル庁の使命としては、大きく分けて2つあると思います。

1つはDXです。もう1つはビッグデータやAIの活用です。その2軸をどれだけ進められるかはまだ未知数ですし、経済産業省もこれまでずっと取り組んできていることではありますので、例えば私の関わっているところではBtoBサービスで労務関係などの申請はどんどんデジタル化されて行くと思います。

戸籍謄本とか住民票とかも、今コンビニで取れるかもしれませんが、デジタルで家でプリントアウトできるといったようになったら良いなという風に個人的にも思ったりします。

Q4:「〇〇レス化」という観点での時代の流れで、自分たちが情報に流されないために益子さんはどのような知識や考え方を得れば良いと考えていらっしゃいますか?
益子

これは実際に流されてみないとその川の冷たさや勢いを知ったり、深さを知ることができないと思いますので、流されないで考えるよりも「うまく流されるにはどうするか」という方向性で考えたほうが良いでしょう。流されて後で残ったものが自分に必要なものだという風に思っておくのが精神衛生上良いかなという風に思います。

Q5:ITを含め世の中の動きを俯瞰で見ることができる時流になりました。差し支えなければ益子さんが普段行っているインプットの手法やツールがあればご教示いただけますでしょうか?

益子

ないです。ないというのは色々です。テレビとかはほとんど見ないです。インターネットチャンネルとかインターネットニュースがほとんどですね。

ただ、政治などではなくてプロフェッショナルとして関わる部分、私でいえばWebに関することなどは自然と情報を自分で探しに行けば入ってくるはずです。私の場合は顧客から聞かれるなど、仕事を通じてのことが多いでしょうか。

Q6:情報漏洩を検知する仕組みやサービスみたいなものはありますか?

益子

あります。その辺はご自分で調べていただければと思います。

いわゆる監視サービスみたいなものがあったりします。例えば5ちゃんねるなどの個人情報の無断利用をウォッチしてくれる掲示板を見たり、他にもそういったものを検知するサービスはあると思いますので調べてみてください。

Q7:アフィリエイトサイトを運営しています。人気のあったヘルスケア・テレワーク・エクササイズ関連の流入が頭打ちとなり、今から何が売れるんだろうかと頭を悩ませている状況です。今後売れそうなジャンルがあれば教えてください。

益子

まだ一巡していないのは健康グッズでしょうか。特に冬に向けてまた外出自粛になりますし、外で運動しづらい季節になってきますので、家の中での運動とか健康維持というのが重要となります。

そういった健康グッズ、もしくは健康商品と言いますか、コロナウイルスにはお茶が良いと言われていますので、そういった手軽な感じのものにタッチしても良いと思います。

Q8:普段、益子さんはどのようなところから情報を得ていますか?

益子

先ほどの質問と似ていますが、マーケティング関係はWebの記事から得ています。検索するキーワードが頭にないと記事にたどり着かないので、普段の仕事中などで見知った単語をどんどん調べていき、関連記事などを読み進めて、芋づる式に知識を深めるというのはどうでしょうか。

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