障がい者の特性によっては、集中力が非常に高く職人気質な方が多いことなど障がい者の方が持つ長所を活かし、PCを使用した専門領域での活躍が期待されています。

弊社のWEB制作部門でマネージャーを務めている綾部が、サテライトオフィスでの開発業務で障がい者雇用の方が活躍されている事例を元に「WEB運用×障がい者雇用」を成功させるポイントについて、2021年1月28日開催されたセミナーにて話した内容をまとめました。


登壇者紹介

綾部 葵

綾部 葵
株式会社メンバーズ マネージャー

メンバーズに入社後、フロントエンドエンジニア、システムエンジニア、ディレクターと10年近くWEB業界に従事。
多くのクライアントさまとともに運用から構築まで数多くの案件を推進。
直近5年は、地元となる福岡県に戻り、多様な人材が集まる北九州拠点にてマネジメントを推進。
クリエイターを育成する土壌・環境構築に取り組む。


はじめに

みなさま、はじめまして。
本日はお忙しい中ご視聴ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。

お話をさせていただく前に簡単にではございますが、私の自己紹介をさせていただければと思っております。私は綾部葵と申しまして、メンバーズ社に15年近く所属をさせていただいておりまして、その間さまざまなWEBの運用や構築を経験し、現在は北九州拠点を立ち上げて5年ほどになりますが、マネージャー業務を推進させていただいております。

今日は「障がい者とともに推進するWEB運用」ということで、当社の文脈に沿った形でお話をさせていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

早速ですけれども、今日お話しすることはこちらです。

・運用を何のために?
・運用をどのように考える?
・障がい者に運用で活躍してもらうために、実際に接していく中で起きたこととは?

「WEB運用をどのようにして行けば、障がい者に活躍いただく場を作っていきやすいのか」ということで3つのお話をさせていただければと思っております。

1つ目は当社のWEB運用の考え方、2つ目にそのバックグラウンドを少しご理解いただいた上で、そこに障がい者を交えたWEB運用対応、最後は私自身の所感の部分も大きいのですが、障がい者の方とご一緒していく上で悩んだことなどを本日お話させていただければと思っております。

 

高まり続ける「WEB運用の重要性」

では1つ目は「運用を何のために?」「運用をどのように考える?」というところで、当社の運用ということに対する考えについてお話をさせていただければと思っております。

みなさんご理解されているものかと思いますが、昨今WEBの重要性がどんどん増していく中で単純に作ればいいというだけではなく、それを資産としてどのように活用し、成果に結びつけていくのか。もう少し言うのであれば、ブランド価値の向上など売上に貢献するための機能を果たすということが、WEBサイトに当たり前に求められてきている状況になったと私は感じております。

そうすると、WEBサイトを1つを作る上でも多種多様な専門領域の知識を求められ、かつ表現が多様化すればするほどに、知識を応用して知恵に転換することが求められる状況になっていると思っております。

WEBそのもので言えば、これからもかなり重要なポジションを占めていくという風に考えております。そんなWEBの重要度が高まっていく中で、エンドユーザーからは情報の鮮度など即時性は変わらず求められるようになっていきます。

そう考えますと「立ち上げたWEBサイトをどのように運用していくか」ということが非常に重要となります。

 

必要なのは「一歩先」を見据えた運用

当社の運用についてまずはお話ししますが、WEBサイトを運用するということはただ運用にとどまらず、先ほど申し上げましたように

・どのようにして企業様の成果に結びつけるのか
・どのようにして企業様とデジタル化を推進するか

という一歩先を見据えた運用というものを大事にしております。

企業様にとって運用を外部に委託するということは、ノウハウ・知見がない場合や人材が内部にいないといった事情から外部に委託するというケースが多いと思います。外部に出すということは、比較的そのことをコストと見る位置づけが強いのかなという風に考えておりますが「外部に運用委託するということを、いかに投資と思ってもらえるか」が当社では重要という風に考えておりますし、それを足掛かりに一緒にどのように成果に結び付けられる運用にしていくかが重要なのかなと当社は考えております。

単純に運用するということに限らず、機械化や効率化によるコスト削減や、安定した運用がもたらすマーケティング施策への投資の足元固めになると考えております。またその土台を作るのは運用の高度化であるという風に考えております。

ですので、まずは安定した運用。そこからさらに将来に向けた運用高度化。これに力を入れて企業様と土台づくりを推進していくことを念頭に置いているという状況になっております。

 

なぜ「WEB運用が難しい」のか?

もう少し制作・運用ということを、ざっくり示したものがこちらです。

基本的には依頼を受けて制作してテストをして公開をする。この繰り返しが運用かなという風に思っております。結論から言いますと、運用というのはこの繰り返しをどう仕組み化していくのかという点にポイントがあるのではないかと思っております。

私自身も長らく運用に関わっていく中で単純にテキスト修正であったり、何かを定められたレギュレーションに従って回すという仕事であれば、手順書が整っていれば多くの方にとって実現可能ではないかと考えております。

ですが「本当にそうなのか?」というところになるのですけれども、専門性が高いと思われがちな側面や知らないという心理的な敷居から、この運用がブラックボックス化しているということが実態としてあって、外の制作会社に丸投げしてしまうケースが多いのだろうと思います。そうすると内部でツールやマニュアルを運用していないために、それらが手元にあっても宝の持ち腐れになってしまいます。そのような状況ですと、運用の方法に関するものが更にブラックボックス化してしまいます。そういった部分が多くの企業様にとって「運用は難しい」と言われる理由となっていると考えております。

ですので、日々の運用において「コストを下げたい」となった場合に、特定の人材の成長だけに依存する形で目線を向けるのではなく、可能な限り誰しもができるような状態にしていることを意識しつつ、改善を繰り返し、運用をしていくことが重要なのかなという風に考えております。

 

メンバーズ流のWEB運用とは?

なぜ当社がそのようなことをしているかという話に移りますが、企業様により投資をすべきところに投資をしていただく為の下準備なのかなという風に考えております。WEBサイトを利用してもらうことの本質は、迅速に適切な情報を探してもらうことにあると考えております。それが昨今では信頼というものに繋がって、ブランドを形作るというケースも少なくないのかなと考えております。

この目的を達成するために、まずは土台を作って整えていく必要があると考えておりまして、その土台が整えば安心という次のステップに行くことができて、その仕組み作りがしっかりできた段階でバトンタッチをしていただいて、より内部の人員であったり、場合によってはコストが低いパートナーに振り分けて、より顧客の成果に結びつく領域へ力を入れていくことができると考えております。だからこそ安定運用という形で、まずは足元を固める必要があるという風に考えております。

その中で当社が行っているアプローチについて細かくお話をしていきますが、まずは運用タスクの切り分けをさせていただいております。

当社で初めてお取引をさせていただくクライアント様であれば、運用定義書というものを作りまして、どういったことを行っていくのかということをかなり細かく定義をさせていただくケースが多いです。定義書が上手くできると、運用と一括りで言っていたものが細かなタスクに分解できます。自社の中でWEBサイトの持つ役割の重要度が高ければ高いほど、このタスクを分解するということがより意味を成してきて「思っていたよりもタスクがあるな」という風に気づけるのではないかと思っております。

切り分けをしっかり行うことで、後で詳しくご説明をしますが、障がいをお持ちの方が仕事をしやすい環境を作りやすくなるのではないかと考えています。

 

タスクの切り分けができていくと、例えばオペレーションの部分、オペレーションでは難しい部分、改善について誰が担当するのか、あるいは経験を積んできた人材に対して次に何を担当してもらうのかという育成指標にもなるのではないかと考えております。

ですので、まずはタスクを分解します。一度に全部はできませんので、力を注ぐ部分について自社の状況にあわせて検討をいただいて、その上でステップアップし

「どういう風に行っていくのか」
「どのようにキャリアに合わせた育成というのをセットで考えていくか」

ということを考えるベースとして使えるのではないかという風に考えております。それをさらに普通に運用として回していくということになれば、今度は課題を洗い出して改善する。これを繰り返していく必要はあると思います。

その際には、やはり土台となるオペレーション・オペレーション外対応を知っていれば色々な視点でリスト化しながら1つ1つ対応できると思いますし、新しい人材を配属した際に新たな目線からその課題に対して向き合うということが実現可能になるのかなと考えております。

 

障がい者が活躍するための「3つのこと」

なんとなく当社の運用のざっくりなイメージがつかめたところで、次に障がい者に運用で活躍していただくためのお話をしたいと思っております。

障がい者に運用で活躍していただくためには、これら3つを意識すべきかなという風に考えております。これは障がいを持った方に限らないとは思っているのですが、障がい者と一緒に働いていく中でより重要なことかなと思っております。

1つ目は環境です。環境といえばよく言われている「働きやすい」などといった心理的安全性を担保できる環境をつくることであったりします。

2つ目は仕組みです。カバーリングする仕組み化、あるいはその仕組みが分解されて分かりやすくドキュメント化されている、またフローにして表してあることで任せられる場所を決めやすくなるのかなと思っております。場合によっては任せられる場所というのは、新たに発掘がしやすいのかもしれないなと考えております。

最後に3つ目ですが、働いていただくのは人ですので成長・育成という目線が大事です。人を「財産」という言葉で表したりもすると思うんですけれども、その人材を育てることによって会社の発展に寄与するような礎になってもらうわけです。

この3つが重要だと思います。

 

①環境

1つ目の環境ですが、

先ほどお話ししたように心理的安全性や帰属意識をどう高めていくか、メンバーの一員としてどう受け入れられやすい状態を作っていくかということが重要だと思っております。

ここでは大きく2つ「チームビルディング」と「環境」と書かせていただいておりますが、チームビルディングですと何でも言い合える環境であったり、新たな視点と気づきをもとに創造性を創出させてくれるチームです。そのためにはグループワークを行ったり、お茶会などと言ったりするのですが、日に15分程度設けてみんなで話す時間を作っています。あるいは品質改善ミーティングや定時後にチーム飲みを行ったりしております。

環境については、障がい者だからこういう環境を使わなければいけないということは特段設けてはおりません。あくまでクリエイターと同じ環境にしていくことで、障がい者の方の意識を他のクリエイターと同様のレベルまで持っていくということを意識しております。

ですのでクリエイターに必要なツール制作環境であったり、残業についても体調を鑑みることは大切ですが、必要に応じてどう頑張っていくかということを話し合っています。在宅勤務も環境を整えていく上での手段です。

私どもメンバーズだけでは障がい者に対する扱いについて分からない場合もありますので、そこで働き方について環境をどういう風に整えていくのかということはメンバーズギフテッドさんとよく話し合いをさせていただいております。

 

②仕組み

続いて仕組みなんですけれども、前提として人なので「作業ミスは起こる」と思っています。ですので、可能な範囲に仕組みを整えてどのようにゼロに近づけていくかという工夫を常に考えながら行っております。チームでカバーリングをする仕組みについては、マニュアルの整備や業務フロー整備などツール化を通して課題点を1つずつ潰していくということを行っております。

 

これは少しテレワークに触れる話です。当社の業態にも関係があるのかもしれませんが、

仕組みと環境さえ揃ってさえいれば、働く場所はどこでもいいということは、実際行ってみて思ったことです。仕組みがあって割り振りが明文化をきちんとされていることによって、いざテレワークを導入するとなった際に弊害はほとんどなかったように思います。

ただ、コミュニケーションの部分の課題としては実際に導入する上で課題として上がりましたが、メンバー同士WEB会議ツールで常時オンライン接続するといったことを実施していくことですぐに繋がりやすい環境下にいてもらう。あるいは雑談会やチーム飲みを行っていくことでご自身が今思っていることのアウトプットを出してもらうということを行う。あるいはその最終的にきちんと成果物を作れていれば良いという姿勢に立っていただいたりすることで、緊張感を常に保ちながらやれていたのではないかなという風に思っております。

さらに全社的な取り組みというのもありまして、週1の出社を行っていくというものもあります。そういった緊張感をより高めていくための工夫をしております。

少し想定外だったのですが、障がい者の方にとって週4のテレワークの導入というのはストレスを感じやすいオフィス通勤の必要性がなくなり、慣れた環境である家で仕事を行うためより落ち着いて仕事ができ、結果的に制作へ集中できる状況に結びついたわけです。ですので、その仕組みが事前にできていたからこそ、テレワークになったとしても混乱がそんなに大きくはなかったのかなと考えております。もちろん1つ1つ出てくる課題については会社単位やチーム単位で工夫の仕方を考えて解決に繋げております。

 

③成長・育成

 

最後に3つ目の軸で成長・育成についてですが、これらについて意識していることとしては「常に問いかけをする」ということを第一にさせていただいております。アドバイスをするのは簡単ではありますが、それより前に自分を振り返っていただいて、その上でアドバイスをしたり、共に悩むということもします。ただ、それだけではダメで時には第三者的な必要になってきます。

図の下の方に赤い囲みで書いておりますが、メンバーズギフテッドさんに客観的視点を用いて常にご協力をいただいております。そういったところで第三者的な視点を持ちつつ障がい者の方と成長・育成を考えていくかということを行っております。例えば何かの事情でメンバーズを卒業することになったとしても、どう自分をプロモーションして、自分自身の付加価値をお客様に提供していくかということは考えていってもらいたいので、そういった目線からの育成成長というのを行っております。

 

障がい者を「共に働くメンバー」として考える

 

ここからは追加の話ですけれども、私が障がい者の方と共に働いていく中で感じていることとして、どちらの目線で人を見るかが非常に重要なのかなという風に思っております。

障がい者だという気持ちで向き合えば、障がい者としての視点で見てしまうけれども、共に働くメンバーとして一緒に成長していきたいという側面で見た際にはもっとお願いできること、やれることがあるんじゃないかという風に考えております。私も一方の視点だけで見てしまうと「やれない」という視点の方に偏りがちなところはあるのですけれども「いやいや、メンバーの一員なんだよ」という風に考えることで、もっとお願いできることがあるのではないかと探す方向に自分自身の目線も行くのではないかと思います。

もちろん障がいに程度の差はあるのですが、少なくとも採用面談の過程で現場に出て共に働けるのではないかという目線でやはり適性は見るのではないかと思います。実際に働けるということであれば、当社に合うかどうかという適性を見て、働くことをお願いするのはどの会社でも行われているような中途採用であったり、新卒の採用とあまり変わらないと考えております。

その上で採用したのであれば、育成を共に考え、長く働いてもらうことによって学習曲線・経験曲線が上がってメンバーの中でメインパーソンとなってくれれば、社会的にも会社的にもさらには個人としても長く案件を支えてくれる上では良いのではないかというのが、当方が障がい者に対して抱える目線です。

 

障がいは「多様性のうちの1つ」

とはいえ目線が時には右往左往してしまうことはありますので、メンバーズギフテッドさんのお力添えをいただきながら、客観的な視点を持って、可能な限りベストな方法の模索をさせていただいております。

マネージャーを担当していると、どうしても判断をしなければいけないという場面が多いわけですけれども、1人だけで判断して解決するためにはやはり持ってる知識などについて限界があると思っておりますので、現在では遠慮なくメンバーズギフテッドさんを頼らせていただいているという状況です。

 

私自身の心構えについてもう少しお話をしておきますと、当初は障がい者に対しての向き合い方が正直分からなかったということもありまして、法令的な目線で雇い入れなければいけないという視点が強くありましたが、実際に仕事を一緒にさせていただく中で、私自身が障がい者と言われる方に対して持つ意識が変わってきているように感じております。

外見上障がいの特性が顕著に出ていらっしゃる障がい者の方もいらっしゃいますが、もしかしたら、たまたま何かおかしいなと思って診察を受けたら「それは障がいですね」と言われて初めて障がいを認識した方も多いのではないかなという風に思っています。

そうなった場合に「では一緒に働けないのか?」という風に考えると、実際にはしっかりと働けているわけですね。偶然当社で仕組み化や環境が整っていたということもあるのかもしれませんが「その方だからできること」というのは往々にしてあるなという風にも感じましたし、仕事に対する意識についても今いるメンバーの中でトップクラスに高いのではないかとも感じています。

そういったところで採用について多様性というお話をしてるのですけれども、障がいを多様性の一種として見るのであれば、それは先ほど申し上げた中途採用や新卒採用の現場でも行ってきている話でもあります。

今の時代、グローバル化も含めて多様なことが語られていますので、そういった目線からも障がいは多様性の一種という風に目線を持ち「障がい者の方が活躍できる場は実はたくさんあるのではないか」「積極的に関わっていきたい」という風に前向きに向き合うということが私自身の心構えでもあったりします。

 

まとめとして「障がいは多様性の1つ」という考え方を受け入れて、多くのメンバーと同様に

適材適所仕組み化

という2つをセットにしたものが理想的な障がい者雇用の形ではないかなという風に考えております。

これから障がい者の方とずっと働いていくということになるのですけれども、今は作る楽しみや仕事をすることの楽しみを感じてほしいし、働くことの充実感を味わってもらいたいなという風に思っております。そこからさらに学習して、経験を積んで、チームを支える土台となってほしいですし、成長の実感を味わえる環境など風土を率先して作り出してほしいと考えております。

 

実際に接していくことであったこと

最後のパートなんですけれども「実際に接していく中であったこと」について5つの観点から少しお話をできればと思っております。

 

最初に「チームの中でどう受け入れてもらうのか」という話ですが、これは結論としては杞憂に終わりました。ただ、受け入れの前にチームと結構話をしました。その上で理解をいただいた部分というのも大きかったわけですが、メンバーズギフテッドさんから事前にご紹介をいただいた際にもかなり自信を持って紹介をいただきましたし、私の方でも実際に面談を行いました。ご本人様の社会経験が多様にありましたので「本当に障がい者なのかな?」とその当時は思ったこともありました。

その時に感じたわけですけれども、社会経験が多様にある方というのは

・障がいに気付いている
・障がいに気付いていない

の違いはあれど、既存のメンバー(健常者)の中にも似たような特徴を持った人がひょっとしたらいるのかもしれないという所感がありました。

これはもう1つ取り組みというか私の思いだったんですけれども「障がいという多様性にどのようにチームメンバーが向き合って考えていくのか見てみたい」という他のメンバーへの問いかけでもあったんですね。当社が多様性を重視している姿勢は、当社のロゴマークからも示しているのですが、人に対してどのように向き合うかということを改めて考えて欲しかったというのもありました。

たまたま制作拠点という都合もあってか、北九州のメンバーは基本モニターに向かい制作をすることが中心でなかなか外部の方と話す機会がないメンバーでしたので、そこに一石を投じて「人との付き合い」「人との多様性」について考えてもらいたかったというのはあります。

という熱い思いはあったわけですけれども、実際には予想外なほどにすんなりチームに受け入れられて、私の完全なる杞憂に終わったということが体験談としてあります。

次に「Joinしてもらって」というところですけれども、これは正直お話をしていく中で結構色々なことを感じているのだなという風に気づかされることが多かったですし、本人から言われるまで「正直そこに気づかなかった」ということで、私自身も非常に勉強になりました。

これからお話してるのは私が助かった部分でもありましたが「きちんと言いたいことは言ってくれる」というのはとても助かりました。もちろんその中で切り分けは必要ですけれども、まずは当人が話してくれる状況がきちんとあることが重要なのかなと思いました。できれば初めて面談をする機会などがあれば「自分の言いたいことを言えるかどうか」気にかけていただいた方が良いのかなという風に思っております。もしそれが難しい場合だとしても、話しやすい環境を入社後にどのように作っていくのかと意識いただくと良いのかなと考えております。

日常の会話でもそうですけれども、何気ないその人の振る舞いが周囲に与える影響について全て把握できるわけではありませんので「その人の行動に何かしら文脈がある」「バックグラウンドがある」と思った上でその文脈を想定し、議論という押し付けの話にしていくのではなく、対話をするということが非常に重要になります。その上で障がい者の方の行動もおかしいということであれば、我々のチームでは対象者についてきちんと指導を行わせていただいております。

次に「管理をする上でやらかしてしまったこと」です。これは私の失敗談ですけれども、ずっと自分のタスクにかかりきりだった際に残業時間の管理を上手くできず、大問題に発展したことがありました。

障がい者ご本人は最後までやりきりたいという意志を重視してくれていたわけですが、一方でご本人はまだ入り始めで体調の管理がどこまでできるか分からないという懸念事項がありました。その時に思ったことは、仕事のやり始めのタイミングできちんと本人と話をして「定時退社をしたいです」ということであれば、まずは最初3ヶ月、半年はそのルールを優先する、遵守すべきだったと思いました。

ルールを実際に守ることができ、ご本人の次のステップ・次の成長を考えられるようになった段階で初めて、当人と話したときのやりきりたいという「意思の尊重」をするというロジックで話をしておくべきでした。ご本人からは管理不行き届きに思われていた部分も正直あるかなと思います。最低限守らせることは何かということを周囲にきちんと連携する必要があったとも思います。ただ、それによってがんじがらめになると窮屈だと思いますので、ちゃんと未来を見据えた話をしながら、ギフテッドさんのある場所をいただきつつ、どう行っていくべきか考えて行く必要はあったかなという風に今は思います。

次に「どのように評価するか」というところですが、これは本当に当社の一般社員と変わらない評価をさせていただいております。人材という話をさせていただいておりますけれども、やはり当社の礎にもなっていただきたいので、成長のためのキャリアプランを一緒に描くということを半年ごとに行わせていただいております。

続いて「タスク管理」ですけれども、これは正直行ってみないとどれくらいの負荷がかかるかというのが分からない状況でしたので、とりあえず行っていただきました。「一般の社員についてはこれくらいのスピード感で行っていただいている」というお話をした上で自己申告で行っていただいております。その上で自己申告に応じて「今日はこれぐらいできた」ということを常に報告を上げていただいておりました。

その報告を上げていただいた上で「もう少しスピードアップしてこれくらいできるといいよね」というところを線引きしていったというのがこのタスク管理です。

まずは自分が無理なく対応できる現在の状況をご本人に理解いただく。これが非常に重要なポイントだと思っておりまして、それを月1あるいは数か月に1度棚卸をさせていただいて「次はこのレベルまで行こうか」ということをご本人様と話をさせていただくのが良いと思っております。

ただ、その前に現状を知らなければ「将来のあるべき姿」というのも描けないと思いますので、まずは現状を知っていただく上でタスク管理を行ってもらうことを推進させていただいておりました。

 

まとめ

長々となってしまったんですけれども、最後に私自身が未知であるがゆえにメンバーズギフテッドさん指摘をかなりいただいて助かっている部分もあります。

判断の依り代というところ、先ほどの話で言いますと「頑張らせたい」でもそこは今の状況特性を当社の残業にしろ研修にしろ、私自身は成長のためだという風に思って可能な限りお願いしたいという風に思っておりましたが、その思いだけでは実際に障がい者の雇用には結びつかないと思いますし、長く働いていただくということにならないのではないかという風に思っております。長く続ける、後に繋がるという環境を作り出す上でも、メンバーズギフテッドさんのアドバイスがあることによって非常に助かっております。

もう1つは私自身、非常に仕事が忙しいですので、意図的に定期的な報告会を作らないと横断をおざなりにしてしまうと感じております。

ですので、定期的な場をあらかじめスケジュールに登録しておいて、その上でレポートを作成いただいております。そうすることでレポートをベースにしながら「今月はこんな感じでした」という風にお互い考えたりなど、向き合う時間を上手く捻出できるようになりました。

課題・悩みに対して相談をする場所があることは重要だと思いますので、そういったところでメンバーズギフテッドさんがあって本当に助かっているかなと思っております。

我々としては障がい者をデジタルクリエイターとして育成し、顧客のビジネスの成長に貢献し、社会的な価値を創出するというのは当方の上長も申しているのですけれども、私自身もここにコミットしながら推進をさせていただければと思っております。

私からは以上でございます。本日はありがとうございました。

 

Q&A

回答者1:株式会社メンバーズ 綾部 葵
回答者2:株式会社メンバーズギフテッド 石後岡 学

Q1.テレワークで好転したものがあるということですが、逆にテレワークで悪くなったことはありますか?

綾部

実施を始めた当初は「生産性が悪くなった」「コミュニケーションの難易度が上がった」という言葉は確かにありました。

「生産性が悪くなった」ということについては、意識の部分で戸惑いというのは正直あったと思います。ただ、コロナ禍においても企業として存続していく上でどうしても生産性を上げて行く必要性はありましたので、モチベーションをトーンダウンをさせないために

・在宅になって良かったこと
・在宅にせざるを得ない状況をどう受け入れて仕事をしていくか

ということについて常に全社的な投げかけをさせていただきました。

結果的に何が起きたのかと言いますと仕事の忙しさというのはもちろんあるかと思うんですけれども、当社の稼働率が全社員90%近く上がっている状況になっております。

仕組みがあるということが前提にはあるのですけれども、生産性に対してしっかりと向き合い、数値化をすることによって、

「今これだけ下がっているから、これを上げていかないとダメだよね」
「どうすればいいのか、全社で考えていきましょう」

ということで、トップを含めて現場からかなりヒアリングをさせていただいて、その上でやれることをどんどん行っていったことが成長のきっかけになったという風に思っております。

「テレワークの実施でコミュニケーションの難易度が上がってしまった」という点ですが、これはオフィスにいる状況に近い環境をいかに作るかということですね。

当社ではチーム単位で各メンバーがスマホを所持していますし、PCにおいてはZoomなどのツールもありますので、それらを使って常時接続を常に行って「いつでも聞ける」という環境を構築することで、コミュニケーションの敷居を下げております。

対面と遜色ないコミュニケーションの段階まで持っていくのは難しいところではありますが、とはいえ「新しい時代の働き方」について受け入れた上でどうコミュニケーションを取っていくかということについては常々考えて行きたいですし、他の社員のみなさんにも考えていただきたいと思っています。

石後岡

障がい者の方は環境変化に弱い部分がすごくありますので、稼働率が顕著に落ちた際も、しかるべきタイミングでしかるべき対応を適切に行えば、回復してくるのかなという風に思っております。

Q2.在籍している障がい者社員の人数・障がいの内訳・構成年齢を知りたいです。

石後岡

メンバーズで聞いているのか、ギフテッドの雇用支援サービスなのかでも、大分変わってくるのですけれども、我々の行う雇用支援サービスの場合は42名の方に月次で行っております。8~9割が精神・発達の方、その他に身体の方がいらっしゃいます。障がいの種別で選ぶというよりは、たまたま良いなと思った方がそういった区分であったということです。

年齢についても高い・低いで何か区別したりというようなことはしておりません。40代、50代の採用の方もいらっしゃれば、20代そこそこの方もいらっしゃいます。年齢を平均しますと感覚値で32~33歳ほどになるでしょうか。

我々としましては、経験がある方が非常に貴重な存在であると考えておりますので、30代でも40代でも経験のある方はぜひ一緒に働いて欲しいなと思っております。

もう1点、綾部さんのような「制作現場」で働いている方は、メンバーズの中で見ますと今32名中10名です。

Q3.障がい者の所属部門はまとめておられるのでしょうか? それともバラバラでしょうか?

石後岡

メンバーズに限った話ですが、バラバラです。各部門で障がい者雇用を行う割合の目安は出しております。それに基づいて配属部門を決めているというような状態です。

ただ「その方が活躍できるところに所属していただく」という考えも重要ですので、必ずしも均等に割り振っていくという形ではないですね。

Q4.様々な障がい者にとって通勤がないことは非常にありがたいことではありますが、自宅以外でのリモートワークは認められていますか?

綾部

当社の制度の話をするのであれば、障がいを持っている・持っていないに関わらず、リモートワークというのは申請があれば許可されるケースが多いです。

その人が仕事に従事する背景などを鑑みて、可否を判断します。それは障がいの有無に関わらず、普段の働き方がしっかりしていればリモートワークをすることは可能です。ただし当社がセキュリティの面を担保するため、指定をした場所でのリモートワークとなります。

Q5.メンバーズギフテッドさんに質問です。人材紹介などで紹介いただいた方は全員定期報告会やレポートなどを共有いただけるのでしょうか?

石後岡

こちらですね、人材紹介と雇用支援サービスをセットでお願いしております。特にテレワークなど在宅勤務に今非常にニーズがありますので、在宅に関しては雇用支援サービスを月額制でお願いしております。そうなった場合はレポートなど定期報告というのは共有・報告させていただく形となります。

 

障がい者雇用でお悩みの方は、メンバーズギフテッドにご相談ください

メンバーズギフテッドは、障がい者が自身の特性を活かしたデジタルクリエイターとして、企業に貢献し、正しく評価される社会の実現を目指しています。自社の法定雇用率を達成させたい方、障がい者で良い人材がいないとお困りの方は、是非メンバーズギフテッドまでご相談ください。

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