「なんとなく運用」を脱却!SNSのプロが重要ポイントを伝授

TwitterやFacebookを始めとしたSNSは、今や顧客とのコミュニケーションチャネルとして欠かせないものとなっており、多くの企業が活用しています。しかし、実際にはただ自社の新製品やキャンペーンのお知らせを一方的に発信するツールになってしまい、「目的や目標があいまいなままSNSを運用している・・・」「思ったようにエンゲージメントが上がらない・・・」といった悩みをよく耳にします。
こうした課題解決のカギはPDCAをしっかりと回すことです。
PDCAのポイントである「体制づくり」と「自動化・効率化」について、大手企業様を始めとする数々の案件を担当してきたSNSプロデューサーが、事例を交えながらディスカッション形式でご紹介します。
質疑応答では、皆様が実際に抱えているSNS運用に関するお悩みについて一緒に考えていきます!


セミナー動画

以下より当日のウェビナーを動画でご覧いただけます


登壇者紹介

久保田 那也 氏

久保田 那也 氏
OVERCLOCK合同会社 代表

SNSマーケティング支援企業のアライドアーキテクツ社に創業メンバーとして参画。
上場~現在に至るまで、同社の実務・経営メンバーとしてSNSマーケティング市場作りに従事。2019年にOVER CLOCK社を創業。
これまでの経験を活かし、スタートアップの事業支援や一般企業向けにSNSの総合支援サービスを展開中。

福島 享之

福島 享之
株式会社メンバーズ サービスユニットMG/戦略プランナー

現在、メンバーズにてソーシャルメディアマーケティングチームのマネージャーを担当。
2007年エイチ・アイ・エスに入社。Web事業部の担当として、Web制作、広告制作などの経験を経てFacebook公式アカウントを開設し、SNSでの情報発信を強化。
2014年メンバーズに入社。企業のSNSアカウント運用支援、SNS広告、さらにはSNSを活用したマーケティング支援としてユーザーコミュニケーション設計や戦略立案などのコンサルティングを行っている。


自己紹介このセクションの動画資料はこちら

福島

今日は「なんとなく運用を脱却 SNSのプロが重要ポイントを伝授」というテーマで我々の経験を踏まえながらお話させていただきます。

久保田

はじめましてOVERCLOCK合同会社の久保田と申します。

私はSNSマーケティングをメンバーズさんと行っているアライドアーキテクツという会社の創業メンバーとして、SNSの業界で考えますと黎明期となる10年以上前から活動を続けております。

現在もアライドアーキテクツという会社自体は活動をしておりますが、平行してアライドアーキテクツと異なった角度でSNSの運用の支援をやっていきたいということでOVERCLOCKという会社を作りまして、両方の会社で各企業様のSNSの運用を支援させていただいております。よろしくお願いいたします。

福島

株式会社メンバーズの福島と申します。

今現在、SNS事業のマネージャーを担当させていただいております。久保田さんとも仕事をさせていただいた期間がありまして、今はメンバーズの中でSNSのアカウント運用支援であったりとか、主にコンサルティング領域の方で業務を行っております。

今日はこの2名でお送りさせていただきたいと思います。

 

まずはじめにこのセクションの動画資料はこちら

福島

さて、徐々に本題に入っていきたいと思います。今年に入りコロナウイルスが世界中に蔓延したことで色々と困難を感じる時代になりました。

みなさんもう経験された通り、自宅の方で自粛生活を大分長い間されたんじゃないかなと思います。その中でデジタルチャネルがすごく注目され、YouTubeをよく見たり、オンラインゲームをプレイした方も多いと思います。コロナ禍でSNSの需要も非常が高まったのではないかと思いまして、弊社の方でもどのくらい高まったのか調査を行いました。

その前に他社さんの調査内容を見ていただきます。我々も直面しましたし、恐らくみなさんもご経験があると思うのですが、新しい期が始まるにあたって予算をしっかり立てて「いざやるぞ」というタイミングでコロナ禍に入ってしまったので、日常的に行われてきたリアルイベントなどが一気に縮小して、その予算をどこにあてがうかとなった場合にデジタルシフトが起きたと思うんですね。

投資の拡大という部分で見ますとSNS活用57%と非常に増えております。私の実感としてはコロナ禍に入ってからみなさん「SNSを導入したい」というお問い合わせが多かったです。

久保田

そうですね。そもそも予算の使い道がなくなってしまったと仰る会社さんも多かったですね。ただSNSを含めてデジタルでもっとやりたいというお話がすごく増えたなという実感があります。ただ「コロナが収束してもそのままデジタルを導入し続けたい」というお話があるので、単純に一時的なものではなく、いよいよ本格的にデジタルマーケティング化が進んでいくきっかけになったのではないかと体感しています。

福島

そうですね。我々もテレワークを導入して働きやすくなったなと思います。そういったところで各企業のみなさんもSNSを真剣に考えるようになったのではないかと思います。

ユーザーの動きとしてもコロナが流行してからSNSの利用というのは増えてきていまして、各メディアについて調査をした結果を見ると、テレビは全世代増えている感じですが、若い人ほどSNSの方の利用が増えた結果となりました。

やはりTwitterやInstagramが以前より大幅に伸びてきているというところで、元々強いメディアではありましたが、コロナによって更に使われるようになりました。以上が前段に触れておきたかったことです。

 

「なんとなく行っている」5項目とは?このセクションの動画資料はこちら

福島

そういった意味で「企業におけるSNSの活用」というのは改めて重要視されてきています。ユーザーの方にとってもSNSが日常的に非常に重要なツールになりました。そういう観点からSNSを運用していかなければなりません。

以前から取り組んでいる方もいるでしょうが、恐らくは慌てて取り組んでいる方もいらっしゃると思います。この「なんとなく行っている」というところに今日は切り込んでいきたいなという風に思っております。

今日はこの「5つの”なんとなく”」に触れてお話をしていこうかなと思っています。

①なんとなくSNS担当
②なんとなくSNSを運用
③なんとなく日々投稿
④なんとなく効果測定
⑤なんとなく炎上が怖い

 

①なんとなくSNS担当このセクションの動画資料はこちら

福島

まず1つ目の①なんとなくSNS担当です。こんな理由でSNS担当になられた方がいるんじゃないかなと思います。

若手社員が上司から
「君は若いからSNSやってるだろうし、担当を任せたい」
と言われて、気づいたらSNS担当になっていたという経験がみなさんにもあるかもしれません。久保田さんに質問なのですが「SNS担当に求められるスキル」は何でしょうか?

久保田

代理店さんでも広告主さんでも特定の分野に対してすごく特化しているスキルを磨くよりは、全般的に幅広くマーケティングのスキルが備わってるような状態がすごく理想的だなと思います。6割くらい、素人にちょっと毛が生えたくらいでも構いませんのでとにかく幅広く学んでいただく必要があります。

福島

さて「SNS担当者に求められるスキル」についてお話しますが、私は4つのスキルが必要かなと思っています。

①SNS上でのコミュニケーション力
②情報収集力
③コンテンツ制作力
④分析力

この辺りが6割程度あれば理想的です。こちらについてお話させていただきます。

まずSNS上でのコミュニケーション力です。みなさんも経験があると思うのですが、SNSを見ていてあまり自分に関係のない情報をよく目にするのではないかなと思います。やはりアンケートで調査すると、6割くらいの方が「自分には関係ない情報が流れてきている」「一方的な企業メッセージが流れてきている」という風に思っているそうです。

企業として必要な情報を伝えながら、あまりビジネスライクにならない距離感というのを探りながらコミュニケーションをとっていく必要が重要なんじゃないかと思っています。

続いて情報収集力です。

先日Twitterのアップデートがありましたが、プラットフォームの技術は変わってきますので、そういったテクニカルな情報収集を積極的にできるマインドを持ってる人、またコンテンツを考えていかなければならないので、社内で色々なところから色々な部署の人と話し合ってネタを集める力も必要かなと思います。

あとはSNS上で話題になっているTwitterやInstagramのトレンドを調べてみるなど、積極的に情報収集のためのアンテナを張ることも大切です。

コンテンツ制作力というところで必要なものとしては、限られた文字の中に伝えるための文章力ですね。次に投稿する写真の加工や演出を上手く行うためのデザイン力です。最後は世の中のトレンドやSNS上で話題になっている事柄について注目していく情報収集力です。

分析能力というところで考えると、SNS運用のカギはインサイトだと思っています。SNSの中で見られる数字も大切だと思うのですが、もう1つはメンバーズが注目しているのは世の中の人がソーシャルメディア上でどんなものに興味を持っていて、それに対してどんな意見があるのかをソーシャルリスニングという分析手法を使って調査しています。

久保田

通常ですとそれぞれの分野で専門家がいるような領域ではあると思います。

それぞれを幅広くできる能力を身につけた方が良いかなと思っておりまして、理由としては一番大きいのがやはりスピードです。従来の広告メディアと比較すると、まず目の前で日々消費者の方が色々な話題で会話をしている状態の中に、企業として即座に差し込んでいかなきゃいけないとなった場合に、得意な人にお願いをしながら運用していくととてもじゃないけど間に合いません。人にお願いするのもすごく負担が大きいです。

ですので自社で運用するにしても、代理店さんにお願いするにしても、オールラウンダーみたいなタイプの方がプロジェクトチームの中にしっかりいると、そのあたりのスピード感が大分上がってまいりますので、オススメとしては、ちょっと大変なんですけれども幅広く身に着けるというところを心がけるといいのかなと思っております。

このスキルの定義は少し特殊でして、特にマーケティング世界ではプロフェッショナルが求められることが多かったと思うのですが、SNSの場合は必ずしも特定の分野に見識が深いことが必要とされているわけでありません

福島

デザイナーにお願いしているとスピードとしてはかなり遅くなりますし、更にライターさんを使うようなことになると、もはや思っていたタイミングでは投稿できなくなります。

最初のフレーズを聞いてしまうと「そんなにスキルが必要なの?」と思われそうですが、とりあえず広く触れれば良いということです。

久保田

あとは仕事を楽にしてくれるツールが色々とありますね。クリエイティブを作るにしてもAdobeのツールを頑張って覚えようとすると1つ1つがものすごく難しいのですが、探してみるとそこまで専門的な知識を必要とせず簡単にクリエイティブが作れるツールが色々と見つかります。それを使うのも良いと思います。

例えばスマホのアプリでもSNS映えするように加工してくれるものがたくさんありますので、実はそれを使った方が手早く作業できるし、見栄えが良くなることもありますので、専門的なツールにこだわらず、手軽に使える便利なツールを賢く使っていく感じで良いと私は考えています。

 

②なんとなくSNSを運用このセクションの動画資料はこちら

福島

「SNSを運用するためには重要なポイント」は何でしょうか?

久保田

結構大事かなと思っているのは選択と集中というか、メリハリをつけるところが大切かなと思います。今主要なSNSだけでも国内では3個から4個くらい存在していますが、ただ今後もSNSというのはサービスが開始されたり終了したり色々と繰り返していくと思うんですね。

それぞれのSNSで特性が大分異なっていますので「SNSをやるぞ」と言って何でもかんでもやるわけではなくて、やはり自社のマーケティングプランに合う場所を中心に絞り込みながら運用をして行った方が結果的には良いのかなと思っています。

ただ手広くやりすぎると目的意識が希薄になってしまいます。がっちり体制が築ける会社さんであれば全部やるべきかもしれませんが、基本的には集中して戦略を立てる方が良いのではないかと考えています。

福島

抑えるポイントはこの3つかなと思っています。

①メディアの特性を理解する
②目的と方針を決める
③運用ルールと役割を決める

メディアの特性ということで簡単に三大メディアを取り上げていますが、

Facebook・Twitter・Instagram、それぞれターゲットも違いますし、利用のされ方や特徴もそれぞれ違うので最低限こういったところは抑えておく必要があるかなと思います。

また「目的と方針を決める」ということで、我々が行っているケースですが運用の目的を決めて、それについての目標と運用方を段階的に作っていきます。運用の施策や期待される成果を全部まとめて、この通りに運用できているか点検します。完全にこの通りに行うのは難しいのですが、ある程度このようなことを決めて進めていくのが理想的だと思います。

久保田

終わりがないですから計画をある程度立てないと、ただ闇雲に走り続けることになってしまいますね。

私から戦略面でお伝えしたいのが、運用の方向性を決めるときにSNSは現場から見ると変化がすごく激しいのですが、一方で社内全体を見渡すと昔の情報のままでバイアスがかかっていて現場の上と下で戦略がずれることが結構多いかなと感じております。

特にこのスライドに書いてあるようなポイントは、例えば「運用の方針を新しく立ち上げます」「年度が変わるので来季の方針を決めます」という場合でも結構意見がずれやすいポイントでして、この辺りはあまり既成概念に囚われずに今のSNSの状態であったり世の中の状態に合わせて順番に考えを変えて行きながら戦略を考えるというのがどうしても必要かなと思います。

よくあるのが「まずは公式アカウントを開設したい」というようなお話です。実は公式アカウントを作らなくても、広告を使用すれば各SNSに対してマーケティングをしていくこと自体はできます。

でも、お話をさせていただくと割と「SNSの支度を始めるから、まずアカウントを立ち上げる」というようなお話が多かったりします。場所としてしっかり作ることは大事ですが、実は目的として広告だけで賄える場合は作らなくてもいい選択肢もあります。意外とそこに気づいていない会社がいらっしゃいますね。

どうしてもSNSらしいコミュニケーションになるとKPIがエンゲージメントになりがちですが、例えばそれ以外にも接触できた日にちのボリュームで見ていくなど色々な手法がありますので、ここのKPIというものも柔軟に考えていただいた方が良いと思います。

それ以外にも列記はさせていただいたんですけれども、意外とこういったものはどこの会社さんでも現場レベルや実務を行っているプロジェクトメンバーの間では最新の考え方になっています

ただ、例えばそれを「意思決定するような立場の方」に説明しようとすると、大分伝わらないことが多くて、結果的にずっと運用が変わらないケースが散見されますので、プロジェクトに携わる方は単純に戦略を立てる時期に立てるような話だけではなくて、日々移り行く情報を社内で共有しながら変化に対して理解を促していくような動き方も戦略を立てる下地づくりとしてとても大切かなと思っております。

福島

広告はできるだけやりたくない。コストをかけたくない。というようなことをよく言われましたね。ただ、企業が行う発信なのでしっかりコストをかけてやっていった方が良いといつも説明をさせていただくのですが、久保田さんが仰った通りで担当の方に比べると上の方はSNSに対する意識が全く違っていて

「タダでできるでしょ?」
「何でこんなにお金がかかるんだ」

という風によく言われるのですが、そういった意識のズレの中に大きな課題があると思います。

 

③なんとなく日々投稿このセクションの動画資料はこちら

福島

続いて、3つ目のケース「なんとなく日々投稿」です。

・他部署から依頼があったから
・「これいいんじゃない?」というような話になったから
・しばらくアップしていないので何となく

などいった場合になんとなく投稿をしているようなケースですね。久保田さんは投稿案を考えるときにどんなことを大事にしていますか?

久保田

考えることはいろいろあるのですが、私個人としては一番大事なのは即時性だと思っています。

・時々ネタ
・一般の方が興味関心があるもの
・季節のネタ

そういった「今」に対してちゃんと乗れる内容になるかどうか。あるいはアレンジをすることによって乗せることができるかどうか。それをまず最初に考えるようにしています。その次にそれが企業として発信したい情報なのかどうかを考えるようにしています。

どちらかというと、素材として凄く奇麗なものは実は飛ばしかなと思っていまして、冒頭でお話ししたことですが、一般の方の興味関心にヒットするかどうかに、クリエイティブの善し悪しが影響しないケースがありまして、例えばTwitterで口コミを集めたモーメントを作って投稿したことがあるのですが、それはただのリンク集をツイートしただけなんですよ。

通常ですと、リンクだけのところはあまりエンゲージメントがつかないというのが通説なのですが、やはり口コミを集めたモーメントで、かつその口コミが発表されたサービスや商品に即応した内容だったので、結果的にはものすごく反応がありました。下手に作り込んだ写真とか動画の投稿よりも良かったことがありました。

それを見ていると、必ずしも見た目の良さよりは「今知りたい」ということに上手く乗せる。これは大切なことだなと思っておりまして、色々考える要素の中では一番最初に考えるポイントはそこかなと思います。

福島

投稿時のポイントとしてはこのような感じです。

・SNSの使い分けが重要
・投稿のタイミングが重要
・自分ごと化&時流に合った企画

投稿手法については各メディアそれぞれ特徴がありまして、文字数の部分もありますし、動画の時間でも結構制限があります。シェア機能の有無などもありますね。メディアごとに何ができて何ができないということを把握するのが大事です。LIVE対応などはコロナ禍ですごく有名になりましたね。

もう1つのポイントは情報の届き方です。

各メディアによって違いまして、Facebookは情報に関心がある人に質を重視した届け方をしているので、ユーザーは少し減りましたがメディアの信ぴょう性としては高いです。

久保田

コーポレートサイトっぽい立ち位置になってきましたね。

福島

もう1つの公式サイトという感じですね。Twitterについては本当に即時性とか、みんなにできるだけ多く届けるようなを重視しているので早く情報が届きます。Instagramというのは自分の趣味の場のような感じになってるので、本人との関係性は非常に高くありません。ここもが重要視されていますね。こういったところもちゃんと見極めながら、投稿することを考えていかなきゃいけないかなと思っています。

我々もよく議論するのですが、投稿時間も考える必要があります。

よく言われるのが、通勤時間、昼休憩、寝る前などねらい目とされる時間帯に計画的に行っていく必要があります。担当者の方が「確認が間に合ったらアップするようにしています」ということをよく聞きます。

何時ですかと聞くと「夜の9時です」とか「朝7時にあげろと言われたので」とか聞くのですが、そういった時間もちゃんと説得材料に使っていただくと、担当の方も無理な時間にアップしなくて済むのかなと思います。

予約投稿が大分できるようになったので、昔のようにその時間に待機しておく必要がないのは良いことですね。

メンバーズでは「自分ごと化しやすい情報」という整理をしているのですが、単純に私たちですね。自分たちは企業に所属しているので時々忘れてしまうのですが、個人として見た場合に「このネタに興味あるのかな」「誰かに教えたくなる情報なのかな」「やってみたい」「食べてみたい」「嬉しいな」というような視点をやはり忘れがちになってしまうので、こういった視点をしっかり持って考えて行く必要があります。

もう一つはコロナ禍ですのでこういった切り口になっているのですが「時流に合った企画」というところで、それをきちんと伝えている企業さんはすごく上手だなと思っています。

久保田

大分SNSが増えてきたり、色々な見せ方ができるようになったので、やはりその企業側の視点で見ると、伝えたいとか発信したい情報がたくさんあって、それらをできるだけ発信したいという話になると思います。

冷静に考えるのであれば、費用とセットで考えた方がいいですね。これはある会社さんをちょっと分析させていただいたデータなんですけれども

ある5アカウントくらいのTwitterアカウントで月に200件投稿されている会社さんがありました。私のところに最初に来たご相談は委託費を下げたいということでした。この会社さんが内部ではなく全てライターさんに外注しているのですが、その運用費を下げたいということです。ただ私ちょっと件数を見まして、果たしてこれはさらに下げたいと言って喜ぶ代理店さんはあるのかと思いました。

分析させていただいた結果なのですが、調べたところ200件の中でしっかりエンゲージメント、たくさんの人が見ていて反応が取れている投稿が200件のうちの35件で全体の20%くらいだったんです。

残りの80%くらいというのは、あまり反応が取れていない。結果的にはその5つのアカウント全体で得られている、リツイートやいいねの反応の総数は10%の投稿だけで8割をカバーしているという状態になっていて、委託費用で割り戻していくと、もちろん狙って上位の投稿だけを企画していくのは難しいんですけれども、本来投稿しなくてもよかったんじゃないのかいう投稿に対して委託費をたくさんかけているという実態が出てまいりました。

狙い撃ちはしないにしても、やはりたくさん伝えたいことがある中で先ほどお話ししたような「時流に乗っているか」「みんなが知りたい情報か」といった視点を持ちながら取捨選択をして行かないと、例えばこれを社員の方が行っていたら確実に人件費が膨らみますし、それを代理店さんに委託しても費用の無駄遣いになることは変わりません。

ですので、たくさん発信したい情報があったとしても、情報を絞り込むという視点は必要です。

どうしても運用という業務自体は、社員の方がどれくらい動いてるかという評価であったり、外部の方に制作コストとしてどれくらいかかっているかというところを意外と振り返らずに数値だけでコミュニケーションを取る会社さんが多いかなと思います。

そうではなくて、広告などと同じように人件費まで含めたROIを定期的に見直しながら、今の投稿が適正なのかどうか、逆に本数を増やすべきなのか、そのあたりを見るべきかなと思います。乱発は良くありません。

その辺りも踏まえて先ほどの運用ができると、環境をしっかり取っていける運用というのがリーズナブルにできるのではないかなと思います。

福島

今仰ったように無駄撃ちをできるだけ少なくするというところは適正にみていく必要があると思います。逆に上手く行っているのであれば運用費を上げていくという考えもありますので、お互いに隠さず見て行きましょう。

久保田

こういったSNSのマーケティングは、それまでのマーケティングと違って担当する社員も代理店も行う仕事が重複することがあります。なぜかといえばあまりにもスピード感が早いので、結局全部お願いしきれずに自分たちが動くような感じになってしまうんですね。

ですので、自社と委託先を合わせて全体でうまく動けているかという視点と、うまく動けているなら投資をしていく分布していくという視点は結構大切で、これまでのマーケティングのプロジェクトと違った視点かなと思います。

福島

これはメディア別に特徴が違うと思うのですが、3メディアでまとめて評価をしていく感じですか?

久保田

それはSNSごとに分けた方が良いと思います。外部に委託する場合のSNSの作りこみ具合ですが、SNSによって違います。Instagramだったら結構写真のクオリティに力を注ぐ必要があるのですが、Twitterでしたら文字だけでパフォーマンスを出す必要があります。それぞれのメディア向けの投稿にかかるコストも変わってきますので、SNSごとにレビューする必要があると思います。

 

④なんとなく効果測定このセクションの動画資料はこちら

福島
4つ目は「なんとなく効果測定」です。「ちゃんと振り返りされていますか?」と質問をすると

「上司から聞かれた場合に見るようにしています」
「個人的には見るようにしています」

といったことをよく聞くので、何となく見るということはみなさんできてるんじゃないかなと思いますが、定期的にチェックしてレポートを作って報告するようなことに関しては手が回っていないという相談が多いです。どんな所に注目すると、うまく運用できてますよねということになりますか?

久保田

SNSのレポート系は「沼」かなと思っておりまして、とにかく分析できる項目が非常に多いんですね。

上手く行っているなと感じるプロジェクトは、まず見るべき指標が最大でも3~5項目くらいに絞り込まれていて、細かい数値よりはトレンドを追いかける体制ができている印象ですね。

逆に沼にハマると「一体自分たちは何の数字を見ていて今どういう状態なんだ」と混乱する原因になります。トレンドが結構ポイントかなと思います。

福島

弊社の場合はレポートチームと兼務しているのですが、みんなレポートウィークになるとすごい顔で仕事をしていて、レポートが終わると有休を取り出すくらい全精力を使い切っていますね。

 

効果測定のポイント

福島

次に「何を見たらいいのか分からないです」という相談を受けるので、効果を図るための指標を決めることが重要だと思います。

久保田

これは特に組織変更で、知識がない方が定期的に入ってくるケースがありますので宿命といえます。

福島

あとは段階的なKPIは私はすごく大事だなと思っています。よくみなさんKPIを1つだけに決められるのですが、先ほど目標や方針を決めるときに3つの段階にステップをしていくことをお話ししましたが、そのような感じで段階的にKPIを作って運用していくと、実感を持ちながらできるんじゃないかなと思っています。

「効果を図るための指標を決める」というところなんですけれども、取れる数字はたくさんあるので、どれをエンゲージメントするのかというのはやはりしっかり決めておくと良いかなと思います。

一般的にはいいね・コメント・シェア・リツイートというところを採ると思います。最近ではリンククリック数も含めて欲しいという依頼もありますが、ここをしっかり決めて見ていかないといけないかなと思います。

次にロジックを理解するということで、エンゲージメント率ってどういう風に計算するのか

ということですね。よくお客さんに聞くと、対ファンのエンゲージメント率だろうと。反応率を言い換えた感じですね。

そこがごちゃ混ぜになっていたりしますので、改めてちゃんと計算式を出して、お互い認識を合わせた上で取り組むのがすごく重要かなと思います。

久保田

私が提出するレポートですと、会社によってはレポートの1ページ目か計算式になっています。誰が読んでも計算できるということですね。

福島

そうですね、うちも結構用語集と各指標の説明と計算式を入れるようにしてますね。あとは段階的なKPIですね。

まずは立ち上げたらみなさんファン・フォロワーを増やすということは分かっていると思います。その後どれを追っていったらいいのか、あとはよくサイト集客で「最終的に認知度を上げたいんですがどこを伸ばしていったら良いですか?」という話になると思いますので、こういったところで段階的に「どこで評価指標を求めて、どこで観察するか」というポイントまでちゃんと設計しないと途中で分からなくなってしまうなと思っています。

久保田

冒頭でもお話ししたのですが分析は今のようなKPIを立てた上でコンマ一桁の細かい分析や振り返りをすること自体は、あまりSNSの場合有効に機能しないと思います。

数値の代わりの要因がたくさんあるのと、 時流の問題で予期していない反応が出たりもしたりしますので、細かい数字で細かく振り返るよりはどこで山ができたのか。前日から比較してどういうペースになっているか。あるいは年間の目標に対してちゃんとペース配分的に推移しているか。トレンドを素早く判断することが大事かなと思います。

通常の方法ですと、やはり月単位で振り返るというのがおそらく日本全国定番のやり方だと思うんですけれども、理想は本当はそこは大雑把でもいいから振り返るサイクルを短くしていって翌週や翌々週くらいに反映できる体制を作るのが一番良いかなと思います。

ただそれを細かく行うのは難しいので、大雑把なトレンドで細かく振り返るのが、一番実は運用的には分析ができると思っています。

ただそれをやろうとすると、各SNSでインサイトの画面が提供されていて、大まかなトレンドを把握することができるので、まずはここを広告にしたバナーを代理店さんが使える状態になるだけでも運用としては十分にできます。もっとやるのであれば、Google DataportalというGoogleの無料で提供しているBIツールがありまして、設定をちゃんと行うと更新作業をしなくてもリアルタイムで各SNSの主要なKPIを出してくれるものです。こういったものを使うと、本当に振り返りの際に細かく見ていくことができます。

分析用途がとにかくすごいですので、こういったツールを使ったり、数字の考え方として細かく出すことよりも大雑把に考えるというスタンスにしていって、細かく分析する部分を振り返った上での運用の改善に使うとか、そういったことに割いていく方が結果的にはパフォーマンスが良くなるかなと思います。

Excelでのレポートは本当は卒業した方がいいと思います。広告主さんが社内で説明するためにExcelで分析するのもやめた方がいいです。

代理店さんもなるべくExcel作業するくらいでしたら、別にBIツールでなくても数字を簡単に見せてくれるSaaSのツールなどはたくさんありますので、ツールを使いながらあまり数字を取りまとめるところにリソースを割かずに、分析と運用改善に力を割く体制を作る方が良いかなと思います。Excelが沼の入り口の第一歩ですね。

福島

SNSのサービスに取り組んでここ10年くらい「ちゃんとExcelで成形してパワポに戻したものを納品してほしい」という依頼が多いんですよ。それだとすごく時間かかってしまって、月の後半にアポを取って報告するようなことになります。ただ期間の短縮に乗り出しているお客さんもいまして、我々も簡単にまとめたシートを出したりとか、場合によってはアナリティクスの画面を見ながら説明したりしています。

そちらの方が運用がうまく回っているなという印象があるので、できるだけ負担をかけずに早く見ていくというのはポイントかもしれないですね。

久保田

月の後半にレポートを作って定例会議をやっても、翌月の改善案が今月終わってしまっているようなことがありがちですので、サッと振り返ってなるべく早めに結果報告と改善が出来る方がいいかなと思います。それはそれで大変ですけどね。

福島

企業さんに「4日後にドキュメントで出してくれ」と言われて結構必死になって作ったこともありました。こうして週ベースであまり負担をかけずに見られるというような体制が幅広く浸透していくと傾向がつかみやすくなって情報発信量も増えてくるかもしれません。

久保田

補足しますと、ちゃんとした分析やレポートを否定しているわけではなく、四半期とか半期などの区切りにしっかりと整理するのは大切です

どのサイクルでどういうアウトプットで見ていくかという運用全体の戦略をちゃんと整理することが大切です。

 

⑤なんとなく炎上が怖いこのセクションの動画資料はこちら

福島

では最後のケース「なんとなく炎上が怖い」です。アカウント開設でよくあるのがTwitter を開設するときに「Twitterをやると炎上するって聞くのですが、大丈夫ですか?」ということを結構聞かれます。

「違いますよ」という説明はしてるのですが、この辺りを担当されているみなさんも「炎上するんじゃないか」となんとなく怖がってやっている方もいらっしゃるんじゃないかなと思っています。どうですか、最近の炎上の傾向や思い当たる話などありますか?

久保田

大きい傾向は同じかなとは思うのですが、まず「そもそもそんなに炎上はしない」とブログの時代から私はずっと思っております。

私が結構炎上したなと思っているのは、某玩具メーカーさんと某女性向けの衣料品を取り扱っているTwitterのアカウントですね。この2つについては結構理由が明確で、ちょっと個々人が不快に感じそうな内容をツイートしてしまったが故に発生していることだったりしますので、普通の企業さんが普通に発信している分にはまず炎上はしないだろうなとは思います。

先ほどの2アカウントはツイートが起点なのですが、たいていの場合はそうではありません。炎上する場合の大半は、まず企業として何かやってはいけないことをやってしまっているんですね。

福島

「これやるんですか? やってもいいのですが危ないですよ?」と伝えたのに、それを押し通してやった結果「やっぱりな」ということは何回かはあります。

 

炎上の仕方にもトレンドがある

福島

コロナ禍において炎上のトレンドと言いますか、炎上の仕方も変わってきました。

少し前はバイトテロや不祥事、サービスの品質に注目が集まっていたのですが、このところは自治体が出した対策の方針や企業の姿勢などに注目が集まっていますね。

ポイントとして

「炎上の仕組みを理解する」
「炎上しやすいテーマは避ける」
「炎上対策を事前に取り決めておく」

炎上対策については、なんとなく決まっているけど、正確なものが決まってないというようなケースが多いです。

炎上のメカニズムについては、やはり投稿した場合に若干の批判は起こるんですね。この批判に対してテレビやまとめサイトで取り上げられてしまうことによって、多くの人に見られてしまい、続々と興味を持たれて、結果炎上してしまう。その後の対応が更に悪くて悪化していくというケースが多いかなと思います。

 

炎上しやすいテーマを避ける

福島

続いて「炎上しやすいテーマを避ける」ということでこの画像を見てください。

賛否両論に二分されるような話題は語気が荒くなりがちですので、確実に避けて行ったほうがいいです。

先進的な取り組みということでLGBTに関係した活動を取り上げる会社さんも最近増えてきました。こういう取り組みはやっても良いと思いますが「こういうことがあったらどうする?」ということを決めながら注意しながら行っていく必要があります。

投稿したときに

・どういう段階でエスカレーションを出していくのか
・誰に報告するのか
・誰が見ているのか

ということを事前に話し合いをして決めていく必要があると思います。

これは一部のケースですが、事前に問題が起きたらどういった対応をするかしっかり話し合いをして決めています。これはすごく重要なことです。

この件は2つあるかなと思っていまして、何かが起こった時にどういう対処するかというのが1つ。2つ目は炎上が起こるときは必ずその前にインシデント、予兆となるようなイベントが絶対に発生しているので、それが分かった瞬間に関係各位、SNSに関わるメンバーに共有をして、いつでも緊急体制が取れるようにするわけです。このように事前の対応と実際に炎上してしまったときの対応の2つの考え方があります。

たいていの場合は突然発生するのではなく、炎上するきっかけが先に起きているはずです。

福島

賛否両論のテーマを扱っていたり、最初の距離感があまりにも短すぎてフランクすぎる表現になっていたり、そもそも企業イメージと合わなかったりといったことがありますね。

久保田

先ほどのスライドにもありましたが、炎上に対して静観する時間を取ることは結構大切

かなと思います。燃え上がってからすぐに対応してしまうと、その行動が逆に火に油を注ぐ可能性もありますし、思ったほど炎上しなくて空回りすることもあります。様子を見て冷静に対処し、状況を見極める期間を置くことが大切です。

一度問題が発生すると「すぐ対応したいんです」というご相談をいただくことが多いですが、落ち着いてあたりを見回してみましょう。SNSは燃え上がる作用と同時に自浄作用というものが存在しています。

福島

担当の方が「すみません、投稿消しちゃいました」と泣きついてくるケースも結構ありましたね。

久保田

慌てず下手にコメント返信せず、会社としての方針をきちんと話し合った上で対応することが重要です。下手に投稿を削除するのは逆効果です。

 

今回のまとめこのセクションの動画資料はこちら

福島

まとめに入っていきたいと思うのですが今回は「なんとなく運用を脱却」というところに焦点を当てて話をさせていただきました。

今日は5つについてお話をさせていただきましたが、重要なポイントは以下の通りです。

・SNS担当のためのスキルという身につけていただくということ
・メディア特性を理解して運用の目的を明確にしていくということ
・投稿手法・タイミング。投稿企画がすごく重要ということ
・評価指標を決めて段階的なKPIで測っていくということ
・炎上対策については事前にリスクを把握して対応策を決めておくこと

今日の話を聞いて、悩んでいらっしゃる方もいると思うんですが、ぜひ私たちにご相談いただければなと思います。今日のお話が少しでもお役に立てばいいかなという風に思っております。本日のお話は以上です。ありがとうございました。


ご質問等がございましたら、お手数ですが下記運営事務局までご連絡のほどよろしくお願いいたします。
メールアドレス:m_lg@members.co.jp