データ利活用に対する、市場の期待は年々大きくなっています。
2019年度の国内データ分析関連人材規模は6万3,400人、2022年度には11万6,000人*に達する予測も出ているほどです。(*矢野経済研究所調べ)

市場が急成長する一方で、データ分析関連人材を適切に活用できている企業は少なく、要求するスキルセットをきちんと定義できず、うまくビジネス成果につなげられていないケースが多く見受けられます。
そんな状況を改善すべく、データ活用領域に特化した常駐型事業を通し実際に見てきたデータ分析関連市場の現状と未来について、データ分析に関する事業を展開している弊社執行役員の白井が2020年11月26日に開催されたセミナーにて紹介しました。


登壇者紹介

白井 恵里

白井 恵里
株式会社メンバーズ 執行役員 兼
メンバーズデータアドベンチャー カンパニー長

東京大学を卒業後、新卒でメンバーズ入社。コンテンツディレクション、UXデザイン、Webプロモーションに従事。当時担当した案件が成功事例として日経BP社の記事になったことも。その後、子会社社長社内公募に応募し、データ活用人材常駐サービスを行うメンバーズデータアドベンチャーを立ち上げ。メンバーズのカンパニー制移行とともに現職。


 

はじめにこのセクションの動画資料はこちら

みなさま初めまして。白井恵里と申します。

私がどのような人間かと申し上げますと、株式会社メンバーズの社内カンパニー、いわゆる子会社のような感じのものですけれども、メンバーズデータアドベンチャーカンパニーの社長をしております。またメンバーズの執行役員でもあります。

プロフィールとしましては、東京大学を卒業後にメンバーズに入社しました。その後デジタルのコミュニケーションのプランニング運用のような仕事を行っておりました。3年目のときに子会社社長公募というものがメンバーズ内で行われまして、そこに応募してメンバーズデータアドベンチャー株式会社を立ち上げました。

大仰そうなプロフィールなんですけれども、私自身の中身は基本的にTwitter廃人、ツイ廃ですね。

Twitterに住んでいますので、良かったら絡んでいただけると嬉しいです。

本日の内容としてはこのような順番で話していきます。

①なぜ私が「データアナリストとは?」といった話をするのか
②これまでのデータ活用の概況
③データ活用の進め方
④データを活用するために組織に何が必要か

それでは最後までよろしくお願いいたします。

 

なぜ私が「データアナリストとは?」といった話をするのか?このセクションの動画資料はこちら

先ほど軽くお話しさせていただきましたが、既にデータ活用の支援事業を行っております。

具体的には例えばこういった課題です。

・データ整備が追いつかない
・レポーティングが出来ていない
・ビジネス事業成果を出すために必要な仮説の持ち方や検証方法が分からない・出来ていない

といった課題に対してお客様企業に常駐する形で中の人として解決していくということを行っております。

この事業はおかげさまで順調に伸びていまして、

立ち上げから1年半という段階で、年間売上1.3億円を達成しました。それだけ需要があるという表れでもあると思いますけれども、データ市場自体も伸び続けております。

こちらは矢野経済研究所の調査ですが、データ分析の関連人材の規模が2019年には6万人を超え、2022年にはそれが11万人に達するという予測が出ているんですね。ということは今後もデータ分析に関わる人達が増え続けていくでしょうし、データ分析に取り組んでいく企業も増えていくのではないかと思っております。

そういった今後も伸び盛りな「データ分析」という市場ですけれども、その事業を行っていく中で会社全体として見えてきた

データをビジネス成果に繋げるために必要なこと

を今日はお話しできればと思います。

 

②これまでのデータ活用の概況このセクションの動画資料はこちら

次に「これまでデータ活用はどのように行われてきたのか」について簡単に説明したいと思います。

ここ10年くらいですけれども、ある種のログデータに関しては「取れちゃうし、溜まっちゃう時代」になってきました。2014年頃にはDMP(データマネジメントプラットフォーム)という、色々なところに散らばっているデータを統合して管理するようなツールが流行ったと思います。

例えば、広告のデータやサイト側のデータには企業が持っている簡易データをユーザー軸で一元的に見ていってトラッキングしていくアトリビューション分析ツールと言われるものですけれども、そういったものもこの頃から普及しております。また、これまでデータ分析の専門家が見ていたようなデータを施策を担当する人が見るようになってきたという変化があったかと思っております。

また2016年頃からはセルフサービスBIツールの流行と書いてますけれども、BIツールについてはTableauやGoogle データポータルといったものが代表的ですが、基本的にはデータを自動連携するツールというイメージです。

日々生成されていくもの、例えばアクセスの場合はアクセスログなどですが「PVがこのくらいになっているよ」といったことを自動的にグラフ化して、それをリアルタイムで更新されるというツールなんですね。象徴的だったのは2019年にSalesforceがBIツールの代表格のプロダクトであるTableauを買収しました。そのくらいこの領域というのは今後も重要な局面に向かって行くと思っております。

2020年はそういった流れを踏まえて「データが取れているし、溜まっているし、可視化されている」という状態の組織であったり企業が増えてきているのかなと思っております。

ここで出てくるのが

「で、どうする?」

という問題です。

データ活用はこのような4段階のフェーズを追って進化していくと思いますが、まずデータがどこに格納されているか把握出来ている状態です。

次に基本的に見ている指標を定点観測している状態です。この指標は例えばWebサイトでしたら、日々のPV・流入元・コンバージョン数などの指標ですね。

その次にあるのは、定点観測や「細かく見たらどうなっているんだろう?」という深堀りから改善に繋げている状態です。

その先は高度なデータ解析・分析といいますか、専門的な統計や機械学習を活用して今あるデータから更なる資産を得るといったことをしている、あるいは機械学習の結果をサービスの機能として実装する、いわゆる「AIの活用」といったイメージのものが入ってきます。

そういった4段階があるかと思います。

「定点観測」から「改善に繋げる」までの部分がネックになっているのが現状として多くの企業や組織で直面している問題かなと思っております。つまりは改善施策に繋がっていないわけです。

「で、どうする?」をクリアするために必要なことは何でしょうか?

・ビジョン?
・分析技術?
・それ以外?

全部必要です。

では、なぜそれぞれ必要かということについてお話ししていきたいと思います。

まずビジョンについてです。キーワードは「改善」です。

 

改善とは何かといいますと、目指しているものとの間のギャップを埋めることです。

そのギャップを出すためのビジョン・目標・ゴール・目的・KPIなど何か目指す場所があると思いますが、それがないとそもそも改善の方向も分かりませんし「何が課題なのか?」という定義が出来ませんので、そういったギャップを定義するためにビジョンが必要だと思っております。

次に「分析技術」です。これは単純に分析なのだから分析技術は必要だろうということです。一応分けて説明しますと、大きく「エンジニアリングの技術」「分析自体の技術」の2つが必要だと思っております。エンジニアリングというのはデータをハンドリングするIT技術のような捉え方で構いません。

まず「分析技術がなぜ必要なのか?」というところですが、分析は予測・分類・検証などを再現性を保ちながら行うために必要です。

「何となく試してみて上手く行ったので、今後もこれをやろう」というザックリとした考え方とは正反対で、根拠をもって「こちらのほうが良かった」という評価を下すためには分析の知識と技術というものが必要だと思っております。

次にエンジニアリングの方ですが、データを取得・集積・抽出するために必要です。

分析者を料理人に例えると、ある料理人がカレーを作る場合に

・食材をどこで買うのか分かりません
・野菜の皮のむき方が分かりません
・お肉の切り方が分かりません
・でも、誰かに材料を全部揃えてもらえたら、おいしいカレーを作ることができます

こんな人が活躍できる場所ってきっと少ないですよね。

分業体制が出来ていて、細かく分業をしてもペイ出来るような規模で、担当しているものが重要な分析であればそれでも構わないと思うのですが、全てがそうではありません。ですので、分析者は自分でじゃがいもを買ってきて、皮をむいて、切ることが出来ないと活躍できる場所が限られてしまいますので、この技術も必要だと思っております。

「それ以外」については後でお話をさせていただきます。

 

③-1 データ活用の進め方このセクションの動画資料はこちら

次にデータ活用の進め方についてですが、

まず何を改善するかを決めます。次に事業や部署のKPIを設計します。次にKPIを上げていく・操作していくためのモニタリングできる環境を作ります。

その次にKPIを上げるためにはどうしたらいいか、こういうことをしたらいいんじゃないかという改善のための仮説を立てます。

それが本当に正しいのか、そんなにコストがかかっていない施策でしたら行ってしまっても構わないのではないかとは思うのですが、それは少し組織の方針や状況によると思っております。

せっかくデータがあるので

「これをやったらもう後戻りできないよ」
「大きな影響出ちゃうよ」

といったものに対して本当に正しいかどうかデータから仮説を検証します。その結果を意思決定者に正しく伝えます。意思決定に繋がらないデータは意味がないので、意思決定に繋がるように報告します。

実際に施策を行うと決まった場合には、実施後にその施策自体が狙った通りの結果に繋がったかどうか評価ができないといけません。そのためまずはテスト設計を行います。次に実際に実行した結果どうだったか、先ほどのテスト設計をもとに効果検証をしていきます。その結果をもとにまた次のスタックや意思決定の進め方を決めます。そして、そのサイクルを回していくというのがデータ分析の一般的な流れかなと思っております。

図示をするとこのような感じです。

ビジョンと現状とのギャップを出して、それが今どういう状態かということを考えます。そこから何が課題で、どうしたらいいのかという仮説を出します。次にそれを検証します。結果をもとに施策や意思決定に繋がるような示唆を出します。そして施策を実行します。最後に結果を評価します。このサイクルをぐるぐる回していくということになるかなと思っております。

今回は組織の話をしたいと思いますので「一緒に働く人」という切り口で考えてみます。

施策実行サイドとデータ分析サイドというそれぞれ別の機能を持ったチームがいて、データは施策が実行された結果として生成されてきます。

これは例えばですけども、Webサイトでしたら

「このクリエイティブを変えたよ」
「この広告のターゲティングを変えたよ」

といったことがあると思いますけれども、それを行うとその施策の結果が反映されたログデータが溜まってくると思います。

それをデータ分析チームが分析をして狙いに対する評価を行います。そして今後どうしていくかという示唆を与えます。最後にそれを反映した施策を施策実行側が実行していくということの繰り返しをしているという風に理解しております。

 

③-2 求められる「データアナリスト」とは?このセクションの動画資料はこちら

ここで少し大事になってくるのは、この「施策実行」という部分ですね。これが行われないといくら分析をしても意味がないのです。

施策実行は一般的には分析者とは別の人が担当することが多いと思っております。つまりこれはデータ分析という分析サイドだけでは完結しないのですね。分析は何かに繋がらないと価値を生みませんので、つまりデータ活用は組織の問題なのです。

では「データを活用するために組織には何が必要なのか?」というお話からさせていただきたいと思っております。

まずビジョンがあり、データがあるという状態で、施策を実施する能力がそもそもある。データ分析組織より先にそちらの方があることの方が多いと思っております。

データ分析する能力があり、その分析結果を反映した施策を実施する意思があって実施されるということが今までの話からは必要だったと思いますけれども、データ分析能力に関しては分析をするために必要なものであるかは言わずもがなですので、今日は詳細には立ち入りません。

重要な部分で見落としがちなところとしては、分析結果を反映した施策を実施する意思を組織として持っているという状態が必要というところはすごく大事だと思っております。

では「その状態を作るのは誰の仕事なのか?」という話です。この「誰の仕事か」という考え方は色々あると思っております。

まだ分析結果が施策に結びついていない場合、あるいはこれから新しく分析という機能を組織に追加する場合現実問題として分析者がその部分までカバーしないと分析が動き出さないと思っております。先ほどもお話した通り、分析は中間アウトプット、そのままでは価値を生みませんので、それが何かしら、人と関わる部分に対しての策が実行されないと意味はないわけです。

では、そういった分析結果を反映した施策を組織として実施する意思があるという状態に持っていくためにはどうするべきか?それが、最初の部分で紹介しなかった「それ以外」という部分に当てはまってきます。

「それ以外」とは施策を実行してもらう能力です。施策は社内外で色々な関係者が動いて実行されていくものだと思っております。ですので、分析者には人に動いてもらう能力というものが必要かなと思っております。

そのために必要なこととしては、まず前提としてデータ活用は個人の取り組みではなく組織の取り組みです。1人で行っていても事業成果に結びつかないことがよくあります。人を巻き込まないといけないわけですが、みんながみんな同じバックグラウンドではありませんし、役割も違います。

ですので、そういった色々な人たちと関わって施策を実行してもらおうとした場合、関わる人たちのデータ活用に関する意識は割とバラバラであり、

「どんどんやっていこう!」

という前のめりの環境もあるとは思うのですが

「そんなの専門家がやっとけばいいじゃん」
「よく分からないけど、他社がやってるから自社でもやるんでしょ」

くらいの温度感があるといったことも多いかなと思っております。データ分析の結果は部署や職種を超えて実行されてなければ価値を生めませんので、そういった温度感がバラバラな状態では進みが悪くなります。

ではどうすれば良いのでしょうか?

これは「その差を埋めましょう」ということなんですね。
「まずは知識の差を埋める」これはよく言われる議論ですね。

「データを分析・活用するためにはまず目的が必要」
「目的のないデータ分析では有効な示唆が出づらい」

といった議論はよく耳にするかと思いますけれども、そちらに関する話です。

事前に課題や目的がある状態でそれに対して分析を行うと有効ですし、コスパも良いです。ただ施策実行者、あるいは業務改善の実行者などが全く知らず、分析者だけがそれを知っているという状態もあると思います。ですのでその差をまず埋めましょう。

次が意識の差です。データを使うことで何か上手く行った体験がなければ、それを前のめりに活用したいとは多分思いませんよね。最初モチベーションが高くても、途中であまり「上手く行かないな」となった場合は興味を失ってしまうこともあります。データ分析に関わっている方は「データ分析に関する成功体験」を持っていることが多いのかなと思いますが、周りはそうではないということです。ですので、少しずつでもその成功体験を積んでもらうことを働きかけていく必要があると思っております。

そういったことで、その「差」を埋めなければいけないのですけれども、埋め方については2通り考えられます。

・相手に自分のところまで来てもらう
・自分が相手のところまで行く

ただ、データ分析者としてプロジェクトや組織に所属しているときに「来てもらうのを待っていたらどうなのか?」というと、やはり時間がかかってしまいます。ビジネスでも何でもそうですが、相手を変えるより自分が動くほうが早いですので、自分から動いて差を埋めて目線を合わせていきましょう。

「で、どうする?」をクリアする「それ以外」とは施策を実行してもらう力ではないかと考えております。それが出来れば、施策を実行してもらうことで初めて成功体験というものが生まれる余地が発生します。上手く行けば組織としての成功体験が蓄積されていきます。

するとデータ活用が前に進んで、事業や業務の中にデータを活用・改善していくというものがフローとして練りこまれて行きますし、習慣化していくと思います。そういった習慣や文化が出来ていけば継続的に事業成果が出るという体勢になるのかなと思っております。

これを全て担うのが弊社の言うデータアナリストです。「今求められるデータアナリストとは?」というタイトルでしたので、それに対する答えは「ここまで出来る人」だと私は思っております。

ただ、環境によりけりです。全てが出来る人をいきなり求めても見つからないと思いますので、そこはチームとして分担していければ良いのかなと思っております。

もう既に施策実行側がデータを活用して実行していくということに前向きであれば、この部分は飛ばして考えても良いでしょう。ただ、そうでない状況の場合は誰かがこの状況に導かないといけないので「分析者がやりましょうよ」というのが弊社の考えですね。

 

まとめこのセクションの動画資料はこちら

ここまでの話をまとめますと「今データ取れちゃうし、溜まっちゃう時代」になっています。ただアクションにはなかなか紐づいていない問題があります。

データ分析というのは、それがアクションに紐づかない、それを反映した施策が実行されないという状態では価値がありません。施策実行チームは正直データそのものには興味がないことが多いです。もちろんそれによって「良い施策を行い、事業成果を上げる」ということには興味がありますので、要するにデータは沢山ある手段の一つに過ぎないわけです。

そこを把握した上で「有効な手段だと思ってもらう」ということは、分析者が事業成果を出すために必要なことだと思っております。それが施策を実行してもらう力になってくるかなと思っております。

本編は以上です。ご清聴ありがとうございました。

 

Q&Aこのセクションの動画資料はこちら

回答者:株式会社メンバーズ メンバーズデータアドベンチャーカンパニー 白井 恵里

Q1.データ活用を推進するために必要な社内体制・環境とは何でしょうか?
これを言ってしまうと元も子もないのですが、トップの意思決定現場の危機感です。現実的な話として変えられる部分で言いますと、やはり一人では出来ませんので一緒に推進する仲間が必要になってくるのかなと思います。成功体験を一緒に積みながら前へ進んで行ける人ですね。その仲間は同僚や上司、部下かもしれません。もし外部の人を引き込むのであれば、下請けとして「言われたことをやる」という意識を持っている人ではなくて、始めから「一緒にやっていく」という意識を持っている人が良いと思います。

またよくある組織の形の話ですと、全社横断のデータ分析組織やサービスや事業に紐づく分析組織の場合はそれほど大規模になりません。1つの事業に分析者が1人といった形になることもあります。その2つのパターンが世の中では多いです。

どちらが良いのかですと、最初は全社横断の組織が良いのではないかなと思っております。なぜかと言いますと、やはりデータ活用を行っていなかったのであれば、ボトムで行うのは難しいです。やはりそこはトップダウンである程度進めて行って、そこに知見や経験などを集約して行くことも必要ですし、あとは社内のプレゼンで知名度も集約していくことが必要になってくると思います。

最初はそのような感じで行い、もう少しスピードを上げてやれそうだという場合は現場側に分析者を配置する体制に移行していくのが理想的なのかなと思っております。

Q2.データアナリストに求められる要件とは何でしょうか?自前で育成する場合と外注する場合の違いについても教えてください。
「分析以外の施策を実行してもらう能力」がある程度基本になってくるかなと思っております。分析に関して必要な能力については状況次第ですね。どのようなデータがあり、どういった目的のために行い、連携状況はどうなのかといったところが関係してきますので、一概には言えない部分があります。次に自前での育成と外注との比較ですが、これについては2つの視点が考えられるかなと思っております。

1つ目はそれが「立ち上げフェーズ」なのか「運用フェーズ」なのかですね。分析という機能を組織に導入するのか。今出されているものをより良くしていくのかです。

立ち上げフェーズだとやはり一気に推進した方が良いですので、その時に自前で育成しているとやはり時間かかってしまいます。そこにこだわらずに外部の専門家の力を借りるのは選択肢として有効だと思っております。

運用フェーズに入ってくると、やはり他部署との連携というのが比重として多くなってきますので、内部の人の方がその点は有利かなと思っております。

2つ目の視点としては、データアナリストの職業性が内部のキャリアパスとどう繋がっていくのかいう視点があります。例えば今後組織的に力を入れて行き、継続的にデータアナリストを育成していき、それを本業の事業にどんどん活用して不可欠な存在にしていくということであれば、コストをかけながら率先して行うということは投資判断としてすごく意味のある判断かなと思います。

逆に繋がらない場合もありますね。例えば本業とは少し外れているが機能としては必要。でもポストは1つしかないというような場合であれば、自前での育成は育成・評価・運用のコストを考えるとあまりコスパが良くないのかなと思っております。

弊社によくご相談いただく話としては、データ分析が本業ではない場合にうまく人材の評価が出来ないし、それによって社員が辞めてしまうといった内容が多いですね。そこはやはり自社でキャリアパスとして抱えられるのかという兼ね合いがあるのかなと思ってます。

Q3.データアナリストを目指す上で取り組むべきこと、日々学習すべきことをお伺いしたいです。
これはまず「人の行動原理を深掘りするクセをつける」ことです。データ人が行動した結果として生成されております。人はどのような時、どんな風に行動するのか。その行動原理について考えるところが、根本的に大事なことなのかなと思っております。

具体的な話として、SQLはハードスキルとして身につけておいて損はないかなと思っております。

なぜかと言えば、先ほどお話ししたカレーの話を思い浮かべていただきたいのですが、ある料理人が美味しくカレーが作れるとしても、その下準備である材料の買い出しや野菜の皮むきが出来なかったらその料理人の活躍出来る機会はあまりないよねという話です。その材料の下準備の部分がSQLということですね。

SQLと言っても、世の中に教材があふれすぎていて、どれから手をつけたら良いか分からない場合は分析に関するSQLの部分だけを取り出して学習するというのが、一番コスパが良い学習法だと思います。

おすすめの学習法をお教えしますと「10年戦えるデータ分析入門」という本がおすすめです。この本の特徴は、プランナーやマーケターなどの非エンジニアだけどデータを見てみたいという人たちを対象にしている点です。データ分析がどういうもので、どういう考え方が必要なのかといった視点で解説している本ですので、データアナリストを目指すという点で考えると必要十分な本かなと思っております。

これを読んでいく中で技術的に分からないことがあれば、項目別に解説している動画が世間にたくさんあると思いますので、そういったもので補完しながら進めていくといいのかなと思っております。

Q4.データ分析を始める際にまず出来るようになるべきことは何ですか?
人間の行動原理とSQLの話に関連するところですけれども、データ分析をする上で誰が一緒に働く共同者なのか。自分がデータ分析した結果がどう活かされていくのか。その結果を活かす先の人達がどのような役割を持った人たちなのか、丁寧に把握していくということが重要かなと思っております。
Q5.データ分析からサイトの改善を提案し、それを実装するところまでを担当予定です。これまでWebマーケティングのコンサルの方に評価していただいていたのですが、それを引き継ぐ中でPDCAを回すための基本的な考え方、GAからブレイクダウンする視点について知りたいです。
これも先ほどの話に付け加えてご回答します。データっていう観点で考えますと、データの発生経路をもう一回深く紐解いてみることだと思っております。例えばサイトの改善であれば

「このページを綺麗にしました」
「このボタンの位置を変えました」

などと色々あると思います。

GAの場合はどの指標を上下させるのかというのを考えてみるわけです。例えば、その場合「PVを見る」「ある特定のセグメントのリピート率を見る」など細かく考えなくても数字が総じて全体にパッと上がって通過できることもあると思います。

ですが、再現性を重視して分析を行い、改善に繋げて行こうとするのであれば、一度立ち止まって分解して考えてみる必要があります。

例えば「そのクリエイティブを変えたらコンバージョン上がります」というのは

・どういう人が
・どういう風に思い
・どういったことを行うから
・その結果が得られるのか

ということを一度深く言語化してみると良いでしょう。

質問者の方は数字をそのままで見るのではなくブレイクダウンしていくという視点をすでにお持ちだと思いますので、今自分が考えていることを分解するといったことを試してみるのが一番良いのかなと思っております。

Q6.エンジニアリング(SQL・Google アナリティクス)のスキル習得方法はイメージがつきますが、予測・分類・検証などの分析スキル・知識の習得は具体的にどんな方法がありますでしょうか?
ザックリと言いますと、統計学の学習がそこに当たってくるかなと思っております。何を最初にやるべきかと言いますと、統計検定の2級の取得を目指すというところが分かりやすい目標かなと思っております。理由としては、まず統計検定2級対策本といった形で知識がある程度体系的にまとまっているというところと、それを学習すると更に自分の必要や興味に沿った専門書を読むための下地が整います。ですので、そこから更に先に進んでいくためのマイルストーンと言いますか、ベンチマークとして学習することがオススメです。

Q7.コミュニケーション力を上げ周りを巻き込んで進めていくとなると、組織の中にはどうしても新しいものを受け入れない人もいると思っております。こういった特に保守的な人たちに対して貴社ではどのように対応するよう指導されておりますか?
素通りできない問題というか、やはりどうしてもつきまとう問題かなと思っております。絶対の正解があるわけではないと思いますけれども、状況によってもし許されるなら・時間を急がない
・時間をかける

というのがまず大枠としてあるかなと思っております。

時間をかけていく中で何をするかというと、保守的な人たちを除いた今動いてくれる人たちだけで小さくても構いませんので成果を上げ続けていくわけです。これは概念の話になってきますが、データ分析による事業成果の創出というものがどんどん成されて行き、それが事業に練り込まれていくのであれば、無視できない存在になっていくはずなんですね。

新しいものを導入したいとき、これはもうデータ分析に限った話ではないのですが、

・何とかして反対する人たちと関係構築を築いていく
・無理やりトップダウンで動いてもらう

この2つしかないと思います。

関係構築をどうするかというと、反対する人たちが何がどういう状態になったら嬉しいと感じるのか事前にリサーチしておき、彼らに気を利かせて細かなお手伝いをしたり、先回りして何か提案していくようなことを行うわけです。そういった小さなことの積み重ねで、時間をかけて動かしていくしかないかなと思っております。

逆に少し強引な手法ではありますが、一度敵対的な関係になってしまうと多分その先もずっとその関係が長引いていくと思いますので、バッサリと切り捨ててしまうことも1つの案ではあります。


ご質問等がございましたら、お手数ですが下記運営事務局までご連絡のほどよろしくお願いいたします。

メールアドレス:m_lg@members.co.jp