無料分析ツールだけでECサイトを急成長させる方法<初級編>~第4回 経験豊富なフリーランスによるライトニングトーク~
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昨今のコロナ禍により、顧客とのマーケティングコミュニケーションにおける、デジタル接点の重要性がさらに高まっています。
そのような中で、ECサイトでの売上アップやWebサイトでのパフォーマンス改善をしていく上で、データをどのように分析し、活用して改善に繋げていくのか、そのヒントをお伝えできればと思います。
セミナー動画&登壇者
以下より当日のウェビナーを動画でご覧いただけます。
無料分析ツールだけでECサイトを急成長させる方法<初級編>
天野 良香 氏
Webコンサルタント
株式会社プロトコーポレーションで中古車関連サイトのWebプロデュース、分析、新規事業開発などを担当。IoTスタートアップで新規事業立ち上げを経て2019年に独立。
現在は、分析ツールをベースとしたサイト戦略、流入・CVR改善の施策提案やPDCA活動の推進を行っている。
1.成功事例から見る売上3.5倍を実現したECサイト分析と改善施策
2.無料分析ツールだけでECサイトを急成長させる方法<初級編>
はじめに
本日は「無料分析ツールだけでECサイトを急成長させる方法<初級編>」をテーマに主に初心者の方向けに具体的な改善方法などをご説明できればと思っております。よろしくお願いします。
まず自己紹介ですが、私は大学卒業後に新卒でWebの制作会社に就職しました。最初はリクルートさんに常駐をして求人サイトのコーディングであったり、Webディレクションを担当しておりました。その後にプロトコーポレーションという会社でこちらは中古車のWeb媒体の会社なんですけれども、こちらでサイトのプロデュースであったりとか、新規事業の開発をやらせていただきました。
最後にIoTのベンチャーに転職をしまして、こちらのファッションEC系のIoTベンチャーですが、こちらで新規事業の立ち上げをして、2019年からフリーランスで活動しつつ、ヒトノテという会社でCMOを担当しております。よろしくお願いします。
今回のウェビナーの内容と目的について
本日お伝えしたいことですが大きく3つございます。
まずマザーの分析ツールで改善を進めていく前に
①「EC サイトの売上がどのように伸びていくのかというロジック」
をご説明させていただきます。
その後、具体的に
②「利用する無料の分析ツール」
③「無料の分析ソールを使った簡単なWeb サイトの改善方法」
についてご説明できればなという風に思っております。
既に分析ツールを使っている方や「導入しようかな」と思っている方に対して、具体的にどういう風に改善につなげていけばいいのかということについて本日お話しさせていただきますので、ぜひ導入をされている方についてはご自身の分析ツールを触りながら説明を聞いていただければと思っております。よろしくお願いします。
ECサイトの売り上げが伸びるロジック
まずはじめにECサイトの売上が伸びるロジックについてご説明をさせていただきます。
売上を伸ばすためには、みなさんご存知かと思うんですけれども、まず流入数とコンバージョンレート(CVR)と客単価。この3つをあげていくことで売上が上がっていくという風に思っています。
厳密には「新規顧客」の売上と「リピーター」の方の売り上げで分かれるんですけれども、少し難しくなってしまうので今回は一括でまとめてご説明させていただきます。
この流入数×コンバージョンレートの掛け算が購入回数にあたるんですけれども、今回はこの購入回数を上げていくためにどうしたらいいのかという話をさせていただくのですが、特に自然検索流入(GoogleやYahooからの流入)でこの購入回数を上げていくためにはどうしたらいいのかということをご紹介できればと思っています。
購入回数が上がるロジック
次にですね、これも購入回数が上がるロジックですが、ECサイトは「TOP」があって「商品一覧」があって「商品詳細」があり、その次に「カート」で「購入完了」と。ここからはみ出すページもあると思うのですが、大本はこの流れで遷移をするかなと考えています。
TOP ➡ 商品一覧 ➡ 商品詳細 ➡ カート ➡ 購入完了
改善ポイントは2つございまして、
この「TOP」「商品一覧」「商品詳細」この3つに対して流入を増やすか、もしくはTOPからその下のページであったりとか、右側の階層にユーザーを誘導していく、この2点しかないかなという風に考えています。
無料分析ツール
では分析ツールはどれを使ってみればいいのかという話になりますが、Googleが出しているSearch ConsoleとGoogle Analyticsは2つとも無料で導入ができますので、ぜひこちら使っていただいて分析を進められればなと思っています。有料の分析ツールで月数万円で利用できるものもありますけれども、この2つのツールだけでも十分に見ることができるので、こちらを使って分析する方法を今回ご紹介させていただきます。
サイト改善のポイント
具体的な分析方法についてご説明させていただきますが、まずサイトの改善ポイントをどこにするかというのを決めます。
みなさんは意外と
「どんなページをデザインするか」
「どんな機能を実装するか」
「どんな商品を出すか」
という点にすごく注目しがちなのですが、一番大事なところは「どのページを改修するか」というところが非常に大事なんですね。
筋トレを例に挙げますが「小さい筋肉を鍛えても脂肪燃焼の効率が悪いので、大きい筋肉を鍛えてください」というような話があると思うのですが、まずはその改善する部位をしっかりと見極めていくことが重要かなと考えています。
流入経路のボリュームを把握する
では、どのページを改善するかというポイントを特定する方法についてなのですが、ここからはGoogle Analyticsを使った方法になりますので、ぜひ一緒に画面操作をしながら観ていただきたいです。
まず「流入経路のボリューム」を把握します。Google Analyticsの左側の画面ですね。「集客」のところを開くと「すべてのトラフィック」というメニューがあり、その下に「チャネル」というものがありますので、こちらをクリックしてください。
そうしますと、このような表が出てきます。
左側に流入経路がそれぞれ表示されます。
1.Organic Search (自然検索)
2.Direct
3.Referral
4.Social
右側には「ユーザー」「新規ユーザー」「セッション」「直帰率」「コンバージョンレート」などが出てきますが、まず最初に見ていただきたいポイントはチャネル別の「セッション」です。いわゆる流入数がここに表示されます。極力流入数が多いチャネルの方が改善の効果が出やすいですので、一番流入数の多いチャネルを選択してクリックしてください。
これはOrganic Search (自然検索)のチャネルをクリックした場合ですが、最初にキーワード別に流入数が出てきます。このキーワードではなくメニュー上にある「ランディングページ」のリンクをクリックしていただくと、自然検索の中でもランティングページ別にどれくらいのセッション数があるか出てきます。
ここで見ていただきたいのが、この特定チャネルのランディングページ別の「セッション」と「コンバージョン率」です。
改善すべきページとは
これをどのように見て、どのようにページを改善していくのかですが、例えると巨大な遊園地で入り口が複数あります。そこでケバブのフードカーを出したいと考えたときに選択肢が2つあるかなと思います。
①「たくさん人が来る入り口」
②「人は来ないけど、ケバブが大好きな人がたくさん来る入口」
があるとして、結論から言うとこれは「どちらも狙った方がいい」と思っています。
改善ページの特定
再度言い換えると
「セッション数が多いランディングページ」
「コンバージョンレートが高いページ」ですね。
こちらに注目して改善ページとして、ピックアップすることをお勧めいたします。例えばセッション数が多いページですと、このページで月に3000セッションあったとして、コンバージョンレートが2%である場合、コンバージョンレートがたった1ポイント上がるだけで購入回数が30回も上がっていきます。
逆にコンバージョンレートが比較的高い5%のページでセッション数は100回しかない場合ですと、このページに関してもセッション数が500件アップした場合はコンバージョンが25件上がります。ですので、「セッション数が多いランディングページ」「コンバージョンレートが高いランディングページ」を改善ページとしてピックアップしていただくと良いかなと思っております。
分析のポイント
こちら改善のページを出す際の分析のポイントなんですけれども「商品詳細」や「商品一覧」などをテンプレート化して運用されている方が多いと思うので、まずはページのテンプレート単位での改善をお勧めしております。
同一テンプレートでもURLが分かれてしまっていると思いますので、例えば「/item/00001/」と/「item/00002/」という風に分かれたURLに関しては、1つ商品詳細ですとか商品別の例えば、「スニーカー商品詳細」とか「パーカー商品詳細」というカテゴライズをして集計していただくと改善するテンプレートがどれなのか導き出すことができます。集計の際にGoogle Analyticsの画面上だけでは集計しづらいと思いますので、エクスポート機能を使用してスプレッドシートにエクスポートして分析していただければと思います。
CVRの改善
では改善するページが特定できたというところで、そのページで「どのようにコンバージョンレートを改善するのか」ご紹介していきます。「人がたくさん来るページでコンバージョンレートを上げる方法」ですね。
Google Analyticsの「ユーザーエクスプローラー」という機能を使います。
個人情報は特定できませんが、これを使うと個々にどういう動きをしたかというユーザーの海遊情報を緻密に見ることができるので、ぜひ使ってみてください。「ユーザー」という項目の下にユーザーエクスプローラーがありますのでこちらをクリックしてください。
そうしますとこのような画面が出ます。まずこの右上にある「セグメントを追加」という部分をクリックしてください。そうしますとユーザーを絞り込むことができます。絞り込む方法ですが、左側のメニューに「条件」という項目がありますので、クリックしてフィルタをかけます。
先ほど具体的に「どのページから流入した人が多いのか」というのが分かっていますので、例えばデフォルトのチャネルグループで流入経路ですね、Organic Search(自然検索)を入れていただいて、ランディングページは先ほど特定したページAですね。あのページを入れていただいて、実際にコンバージョンをした人(商品購入をした人)というのを1以上にしていただく。これで先ほど特定したページ経由でコンバージョンした方に限定して、ユーザーエクスプローラー、つまりユーザーの行動を見ることができます。
そうしますと、このような形でユーザー単位のIDが「クライアントID」と出ていますが、ユーザー個別のIDがこのような感じで絞り込まれて出てきます。
例えばこちらをクリックすると、このような画面になります。
例えばこの画面から、セッションごとの流入チャネルですね。ユーザーは最初にその期間内に自然検索で流入したとしても、その後にリスティングで流入したりですとか、色々な流入経路がありますので、いつどのチャネルで流入したかというのが確認できます。その他にセッションごとにどのランディングページで流入したかということですとか、具体的に画面遷移であったり、どの画面をいつ見たかというのも確認することができます。
後はコンバージョンのタイミングもこの画面上で見られるようになっています。コンバージョンした後にどんなページを見ているとか、離脱をしてしまったなども全て見られるようになっていますので、非常にユーザーを理解しやすい仕様です。
10件あるいは5件でも構いませんが、特定ページを使ってコンバージョンしたユーザーの行動を確認していただき、同時に同じページから流入しているけれどコンバージョンしてないユーザーと比較してください。
非CVユーザーと比較し仮説を立てる
コンバージョンしていないユーザーとしているユーザーで比較をして仮説を立てていきます。
例えばこれは一例になるのですが、コンバージョンしているユーザーの行動特性として、商品詳細から流入をしました。その後に1階層上のその商品の一覧を閲覧しました。その後類似商品をいくつか閲覧後、競合する商品を購入しているユーザーが多いという行動パターンが分かったとします。
逆にコンバージョンしていないユーザーの行動特性として、商品詳細へ流入後にほとんど直帰してしまうか、トップへ行ってから離脱しているという行動パターンが見られたとします。
この場合ですね、仮説として1つ考えられます。正確には仮説はたくさん立てても構いませんが、その内の1つとして例に挙げますと、コンバージョンしていないユーザーは「競合商品」と比較をしたいという気持ちがあるのに、わざわざ「商品一覧」に遷移するのが少し面倒くさいというところで離脱をしてしまっている、コンバージョンまで至っていない可能性があるのではないか?と、私でしたらそのように思います。
この場合は例えば施策として商品詳細ページに類似商品や競合商品の比較機能であったり、純粋に競合商品や類似商品の商品詳細へのリンクを設置するだけでも、コンバージョンしていないユーザーがコンバージョンするユーザーへ変わる施策になるのではないかという風に考えております。
コンバージョンレートの改善については以上です。
該当ページの検索ニーズを知る
次に、流入数の改善についてご説明させていただきます。
先ほど「ケバブが大好きな人がたくさん入る入り口」の話をしましたが「コンバージョンレートが高いページの流入数を上げていくためにどうしたらいいのか?」ということについて簡単にご説明させていただきます。
先ほど、改善するページを特定していただいたと思うのでSearch Consoleを開いた後にこの部分の「検索タイプ:ウェブ」や「日付:過去3ヶ月間」と書いてある部分の右にある「新規」をクリックしていただいて、このページの絞込みですね。該当ページで絞り込みを行ってください。
現状流入しているキーワード
そうしますと、該当ページに流入している「検索キーワード」が表示されます。簡単に見方を説明しますと、
「クリック数」は検索エンジン上でクリックされた回数です。
「表示回数」は検索エンジン上でそのリンクが表示された回数です。
「掲載順位」はこのキーワードで何位になっているかが検索順に並んでいます。
表示回数が多いキーワード
まずご自身のそのページの中で、どのようなキーワードで入って来てる人が多いのかを大まかに確認してください。次に確認していただきたいのが「表示回数」です。これは表示回数で多い順にソートができますので、押すと表示回数が多い順に並び替えられます。ここでターゲットとなる、強化すべきキーワードを探します。
例えばこのキーワードですね。表示回数が97回で現在21位ですので、検索結果の3ページ目にあります。ですけれども、表示回数は3ページ目でも97回表示されていますので、1ページ目に上がることができればもっと表示されるでしょうし、クリック数がもう少し増える可能性があります。
あとは3位まで上がっているところは少し伸びしろが少ないかなと思うのですが、この13位ですね。こちらも2ページ目に表示されていて、かつそこそこ表示回数のボリュームもあると思いますので、現在は5クリックされていますが、これは1ページ目に上げていただくと表示回数も上がりますし、クリック数も上がっていくかなという風に見ていきます。
このように表示回数と検索順位を元に、そのページの中で対策すべきキーワードを選んでいくといいかなと思います。
評価を上げたいKWの競合を知る
次に「選んだキーワードをどうやって強化していくのか」についてですが、これは非常にシンプルです。
例えば「猫ベッド 通販」というキーワードである程度の検索順位や表示回数があり、この部分をもう少し強化したいと考えた場合です。実際に検索をしてみますと、上位に楽天さんなどが表示されていますが、1位から5位くらいまで上位に出ているコンテンツを確認してください。
基本的にGoogleは検索した人の検索意図を読み取って検索結果を表示しているんですね。ですので、競合で上位に上がっているページはみなさんの検索意図にマッチしているという判断をされています。上位のページを見ながら「ユーザーはどんなことを知りたいのか」ということを分析して、得られた情報を対策するページに加えていくと良いのではないかと思います。
例えば、このような通販のサイトですと、その商品に関する選び方に関するノウハウであったり「猫ベッドはこういう風に選んだらいいですよ」ですとか、後は検索軸のリンクですね。「猫ベッド ふわふわ」ですとか「猫ベッド ダンボール」ですとか、そういう商品を探すためのリンクが入っているとユーザーも探しやすいので、上位に上がりやすくなります。
SEOで流入を上げるコツ
次にSEOで流入を上げるコツなんですけれども、
結構みなさんは難易度が高いキーワードで頑張っている方が多いと思うんですけれども、すぐに思いつくようなキーワードは楽天さんやZOZOさんやABCさんなどの大手企業が多くお金をかけて対策をしています。
先ほどSearch Consoleを使ったキーワードのターゲティング方法を話しましたが「既に自身のサイトで表示されているキーワード」であったりとか、ある程度「検索順位がついているキーワード」を探した方が難易度が低いと思っています。
意外と「パンプス 歩きやすい」といった掛け合わせのキーワードでもかなり大手は対策されていたりしますので、ぜひご自身のサイトで既にある程度の順位が取れているキーワードを選んでいただくのがいいかなと思っております。
今回の登壇内容は以上です。
最後に
私の方にご依頼いただけることをご紹介させていただきます。
1つ目が「分析」です。
サイト分析や競合分析ですね。こちらを受けさせていただいています。
2つ目は分析データを元にした「戦略策定」です。
Webサイトの改善方法を整理してまとめることや、KPIの設計ですね。「最終的に商談数であったりとか、売り上げの目標は決まっているんだけど、そこからどうサイトをKPIに落としていいのか分からない」などというところに関しては私の方で支援することができます。
3つ目は「企画」です。
具体的に先ほどお話したような
「サイトをどういう風に改善したらいいのか」
「UIやUXをどういう風に改善していけばいいのか」
という話の企画をさせていただいております。
4つ目は「ディレクション」です。
細かい要件定義であったりとか、開発部隊の進行管理などもご対応させていただいておりますので、何かご相談事項などありましたらぜひご連絡いただければなと思っております。
ご静聴ありがとうございました。
第4回 経験豊富なフリーランスによるライトニングトークのウェビナー一覧
1.成功事例から見る売上3.5倍を実現したECサイト分析と改善施策
2.無料分析ツールだけでECサイトを急成長させる方法<初級編>
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