VUCA時代到来!アジャイルを成功させるために大切な3つのこと

新型コロナウイルスにより、まさに予測不可能な時代となりました。スピード感を持ってあらゆる問題に対処せざるを得ない状況において、アジャイル導入に待ったなしの企業も多いのではないでしょうか?また、いざアジャイルを導入したが上手くいかないという声もよくお聞きします。

本セミナーでは、 ユーザー企業やSIer企業などアジャイル導入で悩まれている方向けに、従来開発(ウォーターフォール)との違いや、アジャイル導入における失敗例などを交えながら、成功に導くためのポイントをお話しいたします。

セミナー動画

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セミナーの内容(動画内容を一部抜粋)

アジャイルの背景

まず最初にアジャイルの背景ですが、今のビジネスの状況はご存知の通りスピードが早くなってきています。その中、ビジネスにITやIOT、AIなどを使って、それを中心にどんなビジネスができるかを考えて行く時代になっています。

世の中ではVUCAの時代になってきたといわれます。変動要素もあり、不確実な時代になっているので、その中で模索しないといけない状況です。

日本には対面や書面、押印、アナログ文化が残っていますが、コロナをきっかけにデジタルシフトしていきます。

また、ソフトウェア開発の流れも変わってきます。一つはプロダクトやプロセスが変わり、ITの技術が進歩していく中、不確実性が増してきています。

数年前から「もの」から「こと」へといわれていますが、ものを提供するのではなく、それを使った後の価値を提供し、顧客中心に考えていく必要があります。

これらの2点を解決するために、アジャイル開発によって、小さく早く世に出すというサイクルを回していく必要があります。

 

アジャイルとは

アジャイルソフト開発は、ウィキペディアによると迅速かつ適応的にソフトウェア開発を行う方法の総称です。アジャイルの考え方のもとに、スクラムとかカンバンとかを組み合わせて実現していきます。

アジャイルの歴史は、もとは日本発祥でトヨタ生産方式が起源です。1995年にスクラムガイドが作られて、99年にXPエクストリームプログラミングが発表されました。2001年にはアジャイルマニフェストが発表されています。

アジャイルソフトウェア開発宣言をご紹介します。大きく4つあります。

・プロセスやツールよりも個人と対話

・包括的なドキュメントよりも動くソフトウェア

・契約交渉よりも顧客との強調

・計画に従うことよりも変化への対応

また、背後に12の原則があります。たとえば、価値のあるソフトを早く提供したり、変更を歓迎したりするなどの原則です。

アジャイルはプロセスではなく、思想や考え方です。したがって、ウォーターフォールは開発工程・プロセスですが、アジャイルはプロセスでなくマインドセットである点が違います。

アジャイル開発でよく使われる手法はscrumやXP、カンバン、リーン、トヨタ生産方式などです。

 

スクラムとは

scrumは複雑で変化の激しい問題に対応するフレームワークです。3つの役割、5つのイベント、3つの成果物があり、後で説明します。

scrumはもともとの一橋大学の竹中先生、野中先生が1986年にかかれた論文を参考にしてジェフサザーランド氏が考案した手法です。

 

スクラムチームの登場人物はプロダクトオーナーと、チームの運営を支援しているスクラムマスター、開発するメンバーです。ステークホルダーは、チームの利害関係者です。

まず、プロダクトオーナーがビジネスプランをもとに、サービスの要求一覧をプロダクトバックログとして作ります。

優先順位をつけて並べるのですが、高いものから開発していきます。開発自体は一週間から二週間のタイムボックスを切って回していきます。

それをスプリントといいます。たとえば、1スプリントを一週間とすると、一週間の最初にスプリントをプランニングします

その後、作業タスクになるので、それをスプリントバッグログといいます。作業タスクの一覧で、それを毎日メンバーが開発していきます。デイリースクラムはデイリーミーティングです。一日15分、チームで状況確認します。

開発していくものはインクリメントとして作られます。1週間の最後に作られたものをスプリントレビュー、チームからステークホルダーにレビューして、ステークホルダーからフィードバッグをもらいます。変更があれば、プロダクトバックログに追加していきます。

最後のスプリントレトロスぺクティブは振り返りという意味です。1週間の作ったものではなくて、プロセスや人との関係、運営面などを振り返ります。改善すべきことを洗い出してチームを改善していきます

 

アジャイルの失敗例と成功のポイント

アジャイル開発を始めるといろいろ問題が噴出してうまくいきません。たとえば、スプリントで予定どおり開発できないことや、オーナーが忙しくて関与できないことなどがあります。

今回、さまざまな問題の原因を整理しました。失敗する原因は3つです。特にウォーターフォールからアジャイルにシフトしたときにうまくいかない原因を整理しています。

 

原因1:アジャイル・scrumの理解が薄い

scrumのやり方だけデイリーミーディングするとか、アジャイルの考え方を理解しないでプロセスを組んでいるパターンが結構多いです。

あと、ユーザーがアジャイルは常に仕様変更できると勘違いしていることもある。プロダクトオーナーやスクラムマスターが、今までにない役割を理解していないこともあります。

 

原因2:従来開発から脱却できない

2つ目が従来の開発から脱却できていないことです。受委託の関係性などの意識が変わっていない場合、それを変えることが難しくなっています。

あとは顧客側でスコープ、リリース日、予算が決まっていて、アジャイルでやりたいといわれるパターンもあります。

この場合、顧客に理解してもらい、アジャイルでできないことを説明します。理解してもらえないと失敗しますよ、と言えるくらいに断らないといけません。

後は従来の開発ルールに引きずられることもあります。開発工程のルールなどさまざまあるので、いかに変えていくかが問題です。

ルールができた背景を考えないと、ルールの適用について判断できません。あとはシステムを作ることが目的になりがちで、ROI最大化の意識が少ないこともあります。

1つの開発でも、本当に意味がある作業か意識しないと、無駄な作業が出てくるかもしれないので、意識を変えないといけない。

 

原因3:人材・組織のレベル

先ほどの通り、クラウドネイティブな人材によって、マイクロサービス化して作りたいとき、マイクロサービスのアーキテクションの経験があるエンジニアを集めるのは難しい状態です。

マイクロサービスを提供するには上流の設計工程からプロセスが変わってきます。理解したうえで進め方をアレンジしないといけません。

新規サービス開発、UIUX、テスト自動化など、未経験のメンバーだとアジャイルでもアウトプットできない状態になります。

特にアジャイルは1週間単位でソースをかえるので、テストコードを自動化するのが必須になってくるのです。技術に関するキャッチアップで時間がかかってしまいます。

最後は組織のサイロ化です。アプリやインフラ運用が別組織のケースがあります。その場合、組織に壁があり、アジャイルがスピーディでなくなります。

アジャイルが難しい理由は潜在意識です。今まで深く染みついた従来の考え方や意識を変化させる必要があります。変化させることを気付かせることに時間がかかります。変化させた結果、検査意識の行動変革を促すとよいでしょう。実は、ここを変えるのが一番難しいポイントです。

 

ウォーターフォールからの切り替えで重要な3つのポイント

まず、アジャイルスクラムを正しく理解しましょう。アジャイルの研修を受けてマインドセットや考え方を理解し、マネジメント、人事部門、周辺関係者にも正しく理解してもらわなければなりません。

研修を受けただけだと納得できないので、実践の中で繰り返して体感しながら理解を深めていくことが必要です。

 

次は、チームの目指すゴール、Whyを考えて全員が共有することです。ビジネスとして成功させるものを作らないと意味がありません。その意味ではチームとして何を目指すべきが、一緒に共有しなければなりません。

アジャイルの開発を始める前に、インセプションデッキ(プロジェクト研修みたいなもの)を作りますが、なぜプロダクトをするのか、なぜアジャイルを導入しているのかなどを共有しておくことが大切です。チームの目指すゴールを一致させるのです。

 

最後が、強いチームを作っていくためにはチームのメンバーに感謝を伝えることからスタートすることが大切で、それによって早くチームのメンバーがまとまってくると思いました。

グーグルが数年前に発表していますが、強いチームの共通点は心理的安定性が担保されているといっています。

相手が嫌がることを話せるのが心理的安定性です。ビジネスを成功させるためにみなが動くので、厳しいことや否定することを言うケースがあります。その時、言っても大丈夫な関係性を作る必要があります。

そのためには、最初からメンバー一人ひとりをよく知り、彼らの貢献に感謝してそれを伝えていくことが大事で、信頼関係を調整していくことがチームビルディングで大切といえます。

 

まとめとして、アジャイルを成功させるためには、

・アジャイルスクラムを理解する事

・ゴールをホワイをチームで一致させる

・チームメンバーに感謝を伝える

これら3つが大切です。

 

なお、ウェビナーのほぼ全文をこちらの記事でも紹介しておりますので、ぜひご覧ください。

 

登壇者紹介

中野 安美 氏

中野 安美 氏
Agility Design株式会社 代表取締役
メンバーズエッジカンパニー 社外アジャイルコーチ
Agile Japan 2020実行委員長

ニッセイ情報テクノロジー株式会社にて生命保険会社向けシステム開発のPMを経験後、アジャイル開発をスタート。クラウドサービスベンダーを経て、2019年9月にAgility Design株式会社を設立。現在はアジャイルコーチ、新規事業創出支援を実施。
金融系大規模システム開発とアジャイル開発両方の経験を活かし、エンタープライズ企業やSIer企業向けアジャイル支援を行う。

エンタープライズアジャイル勉強会実行委員
情報処理学会 情報処理に関する法的問題研究グループ会員

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